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食味を測る新たな評価軸が見つかった!

舌が感じ取る味、脳が生起する味(その2)

2010年2月17日(水)

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その1から読む)

 少し整理しておこう。改めて味とは何か。甘味、酸味、塩味、苦味、辛味、渋味、刺激味、無味、脂身味、アルカリ味、金属味・・・など、様々な形容でそれは示される。食べ物の数だけ、さらには食事の回数だけ味があるとも言える。

 しかし、多様で複雑な味は、いくつかの基本的な味の合成の結果、生じているのではないかという考えは、古くから持たれてきており、ドイツの心理学者ヘニングは1916年に、甘、酸、塩、苦の4つの味とその複合ですべての味覚を説明する4基本味説を提唱した。すべての味は甘味、酸味、塩味、苦味のブレンドなのだと、彼は考えた。

 この説に反対したのが日本の化学者・池田菊苗だった。複雑な味を構成する原味=基本味が存在するという考え方自体は良い。しかしそれは本当に4つなのかと、それが池田の疑問だった。

 池田は鍋に昆布を入れると湯豆腐がうま味を増す、おいしくなることを知っていた。このうま味の成分が昆布に成分が含まれていると考えて、池田はその抽出を手掛け、グルタミン酸モノナトリウム塩に到達する。そして、うま味を加えて味は5つの原味要素から構成されるという説を提唱した。

コメと基本味の関わりに着目

 この味の4基本味説と5基本味説は長く平行線を辿ってきたが、人間はいかに味を味わうかのメカニズムが生理学的に明らかになって決着を見るようになる。人はどこで味を感じるか(この場合は、狭義の味)。舌だ。舌の表面にはざらざらとした「つぶ」がたくさん存在する。これを乳頭と呼ぶ。

 乳頭には糸状乳頭、茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭の4種類がある。これらは均一に分布しているわけではなく、茸状乳頭は舌の縁に多く、有郭乳頭は舌根部に10~12個が逆V字状に並ぶ。糸状乳頭以外の乳頭は味蕾という器官を備えている。長さ60~80マイクロメートル、直径約50マイクロメートルの味蕾には数個の味細胞があり、味細胞は味神経につながっている。

 この味細胞に味を示す物質が結合し、取り込まれると味細胞につながる味神経が興奮する。これが(狭義の)味覚のメカニズムだ。(狭義の)味覚とは化学反応であり、光や圧力などの物理量に反応する視覚、聴覚、触覚とは異なる。視覚、聴覚、触覚と、味覚そして嗅覚の違いは、物理と化学の違いだと理解すると分かりやすい。

 では味細胞と結合し、味神経を興奮させる物質には何があるか。うま味成分の1つがグルタミン酸ソーダだということは既に記した。ほかにも、酸が乖離して生じた水素イオンが酸味をもたらす。塩味はナトリウムイオンに代表される金属系陽イオンで生じる味だ。カフェイン、キニーネなどのアルカロイド系の物質は苦味をもたらす。甘味はショ糖、ブドウ糖などにより生じる。

 これらの味物質に味細胞が反応し、受容するシステムの存在が生理学の研究で確認され、塩味、苦味、甘味、酸味、うま味はそれぞれ別のシステムだと分かった。その結果、この5つが基本味だと認められた。今では、この5つの基本味の合成によって複雑な味が作られると考えられている。

 そうであれば、コメの味も、こうした味に関わる物質がどの程度含まれているか調べれば、もっとコメの味の議論を実証的に行うことができる。

 そこで、慶応義塾大学先端生命科学研究所(慶應大先端生命研)が所有しているキャピラリー電気泳動-質量分析計(CE-MS)を駆使することを思いついたのだった。CE-MSによって、コメの中に含まれる成分の種類や量を短時間で多数のサンプルについて分析できる。

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