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おいしいコメは、なぜおいしいのか?

舌が感じ取る味、脳が生起する味(その1)

2010年2月15日(月)

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 本連載の前々回で、コメの食味試験を体験取材したことを記した。

 イモチ病に強い抵抗性を持つ新品種を含む複数の品種を、実際に炊飯器で炊いて食べ比べてみる。そんな食味試験に参加させてもらったのだ。

 こうした食味試験の「大本締め」(というのもヘンだが――)は、財団法人の日本穀物検定協会である。この協会は、1951(昭和26)年4月に食糧配給公団による米穀の配給制度が廃止され、民営の卸や小売による販売制度に移行されたのに伴い、まずは社団法人「東京穀物検定協会」として農林省(現・農林水産省)の認可を得て設立された。

 政府と民間の間に立つ第三者機関として、穀物の品質をチェックする、そんな作業に携わり始めた同協会は、当初は日本各地に支部協会を持つ形態で運営されていたが、検定地域の拡大、事業量の増加に伴って、全国画一的な検定方法と技術の統一化を図るために財団法人「日本穀物検定協会(穀検)」へと統合される。

 そして1971(昭和46)年産米から穀検は「米の食味ランキング」を始めている。そこでは炊飯した白飯を専門スタッフ(審査員=パネル)が、実際に試食して評価する食味官能試験を行う。方法としては、複数産地産の「コシヒカリ」のブレンド米を基準米とし、これと試験対象産地の品種を比較。特に良好なものを「特A」、基準米よりも良好なものを「A」、おおむね同等のものを「A’」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」として評価している。

 その結果はランキングに取りまとめられて、毎年発表されている。2008(平成20)年産米について127産地品種について食味試験を実施した結果は、穀検のウェブサイトで確認できる。

“味音痴"でも分かるコシヒカリ

 この穀検の方法は、食味試験の標準形式だ。各地の農業試験場で新種育成の際に行われる食味試験もおおむね穀検の試験と同じだ。

 ちなみに穀検で食味試験の対象となるのは外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6項目。ここで、ちょっと待ってほしいと思うのではないか。香りが食味試験に含まれるのはまだ分かる。しかし「外観」とは何だ、と。

 だが見栄えが、食べ物の味に影響することは、実は私たちが日常的に経験しているのではないか。もちろん見栄えを裏切るおいしさもあるが、見るからに食欲をそそる食べ物は、どうしてもひいき目に味わってしまう。その意味で「外観」も広義における味の要素なのだ。

 同じように歯触りや食感も味に影響を与えるからこそ、食味試験に含まれる。

 こうして眼で見て、鼻で香りをかぎ、そして口に含んで歯触り、舌触りなど触感を動員して硬さや食感を確かめ、時に噛み応えは音でも感じ取り、舌で食味そのものを味わう――。味について論じる場合、そこで相手どるのが味覚以外に拡張された広義の「味」か、味覚に限定される狭義の味なのかは、まず区別しておく必要がある。食味試験は狭義の味だけでなく、広義の味を意識して行われているのだ。

 そんな食味試験を体験取材させてもらったとはいえ、筆者自身は食通のグルメではないゆえに、農業試験場の経験豊富な職員たちに比べて正確な食味試験ができたとはおよそ言えなかった。

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