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【隠れた世界企業】「変化力」で海外勢に対抗

平松産業(石川県能美市、機能素材加工業)

2010年2月17日(水)

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防水性と通気性を両立させるポリウレタンフィルムがスポーツウエアで高評価を得た。海外勢のキャッチアップを見越して、既にインクジェット事業に橋頭堡を築きつつある。成功体験に安住せず、技術立社を貫く変化適応力にこそ、生き残りの道を見いだした。

 スキーウエアなどのスポーツ用アウターウエアは、矛盾する2つの性能を兼ね備える必要がある。すなわち、防水性と通気性だ。

 スポーツ用アウターウエアは、過酷な自然の中で利用されることも多いため、雪や雨の浸透を防ぐために防水性を高める必要がある。ただ、繊維を密なものにして防水性を高めれば、今度は副作用として通気性が損なわれる。通気性に乏しい衣服を着ていると、運動時にかいた汗や熱がこもって不快感を覚えることになる。

 平松産業が開発した高機能ポリウレタンフィルム「ルストレ」は、この二律背反を解決した。同じ水分でも、雨粒と水蒸気では「大きさ」が異なることに着目し、雨粒よりも小さく、汗などが蒸発した水蒸気よりも大きい「穴」(気孔)を備えさせた。つまりルストレは、水滴は通さないが水蒸気は通す性質を持った膜だ。

 気孔の大きさは0.3~3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。この穴が1cm²当たり50万個、開いている。この多孔質によって、競合商品に比べて、通気性と防水性をともに高めることに成功した。

インクジェットで印刷した傘と上村愛子選手用のスキーウエアを前に竹田忠彦社長 (写真:品野 塁)

 国内外の主なスポーツウエアメーカーの商品に、平松産業の素材が採用されている。2006年のトリノ冬季五輪に出場したスキー・フリースタイルの上村愛子選手のウエアにも採用された。ただ、これらの商品をつぶさに見ても「平松産業」の文字は見当たらない。同社から出荷された素材は、東レなどの大手素材メーカーを通じてスポーツ用品メーカーに卸される。あくまでも縁の下の力持ち、というわけだ。

 それでも国内外のメーカーからの評価は高い。「平松産業のものを」と加工工場指定で発注する海外ウエアメーカーもあった。さらには靴などにも用途が広がっている。

 ――と、ここまで読めば、平松産業とは「ポリウレタンフィルムに強い会社」と受け取られるだろう。しかしこの会社は、わずか数十年の間に、経営環境の変化に応じて、その主力事業を切り替えてきた。

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「【隠れた世界企業】「変化力」で海外勢に対抗」の著者

池田 信太朗

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネスオンライン編集長

2000年に日経BP入社。2006年から『日経ビジネス』記者として、主に流通業界の取材に当たる。2012年『日経ビジネスDigital』のサービスを立ち上げて初代編集長、2012年9月から香港支局特派員、2015年1月から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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