今年6月にも完全施行が予定されている改正貸金業法。期日を前に、一部企業ではシステム対応が間に合っていない。このまま施行されれば、規制そのものが機能しない恐れがある。
消費者金融やクレジットカード会社のキャッシングに関するルールを厳格化する「改正貸金業法」。その完全施行が6月に迫っている。政府関係者は当初、利用者の混乱などを考慮して、施行延期なども検討していたが、現状は予定通り、6月施行で進む方向だ。
ところが、そんな政府の思惑とは裏腹に、法改正の対象となる業者からは「とても期日に間に合わない」という悲鳴に近い叫び声が上がっている。
「システム対応が間に合わない」
「総量規制に必要な情報システムの対応ができていない」

あるクレジットカード会社の幹部が嘆く。右の図にある通り、改正貸金業法が完全施行になると、大きく4点が変更される。中でも各社の大きな負担となるのが、キャッシング利用者が借りられる金額を、年収の3分の1までに制限する「総量規制」への対応だ。
総量規制の導入には、当然ながら「誰がいくら借りているか」という情報を貸し手側が共有する必要がある。改正法では、これらの借り入れ情報は「指定信用情報機関」で集中管理する。具体的には、以前から同種の情報を管理してきた消費者金融系が中心に加盟する「日本信用情報機構(JICC)」と、クレジットカード・信販会社系の「シー・アイ・シー(CIC)」が指定機関として名乗りを上げている。両者のシステムは、相互に接続され、そこで初めて、総量規制が可能になる。
ところが、ここに大きな問題が浮上している。互いに融通し合うデータの整合性に、疑問符がついているのだ。CICのシステムに接続している信販会社幹部が言う。「同一人物が、重複して登録されている可能性があり、データの整合性が取れない場合がある」。
結婚で姓が変わったり、住所変更した際に、重複して登録された顧客データは、いわゆる「名寄せ」作業が必要になる。これが不十分なまま総量規制が導入されれば、顧客の正確な残高を把握できず、総量規制が機能しない恐れがある。
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