在京と在阪の大手民放ラジオ13社は3月15日から、インターネットの配信サイト「radiko.jp(ラジコ)」で、パソコン向けに地上波放送のサイマル(同時)送信を開始する。
在京局は関東に、在阪局は関西に聴取可能地域を制限するものの、音楽やCMも含め、ほぼ同じ放送内容を同時にネットで流す取り組みは、日本では画期的と言える。
2月22日に電通が発表した「2009年日本の広告費」によると、ラジオ広告は前年比11.6%減の1370億円。2001年と比べて、約630億円も減った。ラジコは、広告モデルに依存するラジオ業界にとって、起死回生を狙う希望の星だ。
そのプロジェクトを牽引する「中の人」が取材に応じ、今回の取り組みの概要から、地域制限に対する考え方まで、詳細を語った。
(「大手民放ラジオ13社、ネット同時放送解禁へ」を先にお読み下さい)
「民放ラジオ13社、ネット同時送信へ 首都圏・関西」――。
朝日新聞は2月13日付け朝刊の1面で、民放ラジオ局がインターネットでの同時送信に踏み切るというニュースを大きく報じた。さらに、読売新聞や毎日新聞などが続いた。
だが既に、ネット上では12日未明からすさまじい勢いでこの話題が伝播し、ニュースをいち早く知ったネットユーザーは終夜、狂喜乱舞していた。
ネットユーザーの“祭り”は、日経ビジネスオンラインが12日午前0時頃に報じたニュースに端を発する。
一晩で数千のつぶやき生んだラジオの力
「きたああああああああああああ」「でかいニュースが!!」「これはスゴイ」「大変だ大変だ!嬉しいニュースだ」「すごく強大なプレイヤーに化けるかもしれない」…。
「Twitter(ツイッター)」では深夜にもかかわらず、12日朝までに数千の関連する投稿がなされた。歓迎ムード一色である。朝方に気づいたユーザーも加わり、日中もラジオの話題は盛り上がりを見せた。
目立ったのは「ラジオを聴きたくても聴けない」というユーザーの声だ。ラジオ受信機がない。あるいは、ノイズがひどくて聞くのをやめた。そういった層が、「ネットでクリアな音質で聞けるのであれば、大歓迎」と沸き立った。
一方、電通に置かれた「IPサイマルラジオ協議会」の事務局には、12日朝から報道機関を含む関係各所からの問い合わせが相次ぎ、対応に追われた。同協議会は、今回のラジオ13社が中心となって設立した組織。“ネット放送”のインフラ整備や各権利団体との交渉を担っている。
その協議会の誰もが、ここまでの反響があるとは思っていなかった。協議会の事務局を預かり、今回のプロジェクトを水面下でまとめ上げた電通ラジオ局開発推進部の宮澤由毅部長。そして、ご意見番として協議会の理事を務める、慶應義塾大学の中村伊知哉教授の声に耳を傾けよう。
ネットの狂喜乱舞が「一番のニュースだったかも」
―― ネット上では非常に大きな反響を呼びました。改めて、ラジオとネットの相性のよさを再認識したのではないでしょうか。
宮澤部長 非常にうれしい反応でした。こんなにラジオの話って話題になるんだと。ラジオの底力と可能性を、改めて感じました。当初は、いざ始まっても全然注目されず、パラパラだったらどうしようと思っていたけれど、今は逆の心配をしているほどです。
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