電気自動車(EV)の登場で、リチウムイオン電池の開発競争が加速している。容量を規定する正極と負極では、使われる素材の世代交代が始まった。安全性も追求。一足飛びに次世代電池を目指す研究も熱を帯びる。
電気自動車(EV)が街中を走り回る時代が、現実になり始めた。昨年、三菱自動車が「アイミーブ(i-MiEV)」を発売し、今年秋には日産自動車が「リーフ」を投入する。米国では、テスラ・モーターズなどのEVベンチャーが相次いで登場している。
だが、彼らはみな同じ悩みを抱えている。電池容量の少なさだ。リチウムイオン電池を搭載するアイミーブの場合、1回の充電で走行できる距離は160km。街中を巡回するだけなら十分だが、長距離走行には向いていない。
1991年にソニーがリチウムイオン電池を実用化して以来、性能は飛躍的に向上した。だが、既存材料では電気自動車が求める性能を満たせないことが、徐々に明らかになり始めた。そこで、電池を構成する各々の部品で、材料の世代交代が始まっている。
リチウムイオン電池は正極材料と負極材料、電解液、セパレーターの主に4つの部材から作られている。下図のように、放電時には負極が放出したリチウムイオンが正極に移動することで電気エネルギーが発生し、充電時には逆の現象が起きる。その際にイオンの移動を媒介するのが電解液だ。そして、セパレーターで正極と負極を区切ることにより、電池がショートするのを防いでいる。
電池の性能向上には、この4つをうまく組み合わせる必要がある。1つの部材の性能が向上しても、全体で高い性能が出るとは限らず、安全性などで課題を抱えることにもなりかねない。複数の部材をどのようにバランスさせるかが、メーカーの腕の見せどころだ。
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