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013|ケータイは魂を飲み込む
人から逃げないコミュニケーションを

2010年3月9日(火)

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 多くの皆さんはそんなに気になる事ではないと思いますが、長く日本を離れていた私にはどうしても1つ気になる事があります。この日本が大きく変わったと感じる現象の1つ、それが今回のテーマ「ケータイ」です。

満員電車の中で取り憑かれたように

 12年ぶりに乗る都内の地下鉄。相変わらず朝も夜もぎゅうぎゅうです。

【シーン1】

 東急田園都市線-東京メトロ半蔵門線、渋谷23時。もう明日も間近だというのに、プラットホームには人が溢れている。そして、そんな人だかりをぎりぎりですり抜けるように電車が入ってくる――。こんな状況に慣れていない私にとっては怖くてたまらないのですが、まあ昔と大きく変わらない東京です。

 ドアが開くたびに多くの人が出入りし、電車の中はぎゅうぎゅうだというのに、多くの人がケータイを見ています。というか、取り憑かれている感じです。魂がケータイの画面に吸い込まれんばかりに見入っています。

 ケータイを見ている人以外は、疲れ果てて寝ている人です。電車のつり革は日本のサラリーマンの疲れで今にも切れんばかりのテンションです。

【シーン2】

 私は、電車から降りて来る人たちを観察してしまいます。電車を降りるとすぐに多くの方が見事に『カチッ』と、ケータイを開けます。いったい何を確認しているのでしょうか?その連鎖反応的な群衆行為には、不気味ささえ感じます。

 これらの情景は12年前にはなかったものです。それは携帯電話ではなく『ケータイという現象』です。

モノが人を飲み込んでしまったような感覚

 かつてドイツに送られて来たビデオの中に収められていた日本の人気ドラマ『ウォーターボーイズ』の主人公たちはドラマの設定上、今の時代にも関わらず誰一人として携帯電話を持っていませんでした。自転車という道具を使って、もっぱら自分の足でコミュニケーションを取るのです。

 田舎の設定とはいえ、監督のすばらしい見えないメッセージを感じました。むやみに時代の流れに乗るのではなく、人が動き、人に考えさせ、人が中心でなけれなならないというメッセージです。

 1990年半ば頃から、デザインは「モノ自体のデザイン」から「ブランドのためのデザイン」になりました。金融社会が飽和し、崩壊していったことと同様に、本質的なものから現象的なものにデザインの価値が置き換わってしまったのです。

 その代表が携帯電話の存在です。携帯電話はインターネット、ゲーム等の普及に伴い、人間の内面性に入り込んで行きました。人間社会のリアリティを消し、幻想社会でのコミュニケーションを行うツールとなったのです。

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