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トヨタ、“仮想”が招いた不具合

  • 浜田 基彦(日経Automotive Technology)

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2010年3月10日(水)

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「リアル」に働く電子化した機器の裏には、必ず「バーチャル」を担当する機器がある。実際の運転には関係ないが、ドライバーに操作した感覚を味わってもらうための機器だ。今回、論理的なリアルと感覚的なバーチャルの両者をつなぐ部分で、問題は起きた。

 「プリウス」で採用している電子制御ブレーキのペダルや、最近の自動車のアクセルペダルは、実は単なるスイッチである。根元の角度センサーが「何度動いています」という信号を出すだけだ。信号を受けたコンピューターの指令に従い、モーターや電磁弁が「リアル」にクルマを操作する。自動車の“電子化”はそこまで進んでいる。

 これだけではペダルはフラフラで、運転者は気持ちが悪い。そのため、踏み応えを「バーチャル」に作る。“運転シミュレーションゲーム”のようなものだ。電子化したクルマには、このリアルとバーチャルが混在している。その連係のまずさが、一連の問題を引き起こしたと見られる。

バーチャル側が現実を妨害

 プリウスは、摩擦ブレーキ、回生ブレーキという2つのブレーキを併用している。この2つを統合するのが、回生協調ブレーキ。電気自動車やハイブリッド車用の高度なものだ。今回問題視されているのは摩擦ブレーキだ。ペダルの角度についての信号を制御コンピューターを経て加減弁に伝え、油圧をコントロールしブレーキをかける。

 一方、バーチャルな機構は電子化以前と同じく、ペダルを足で踏んで油圧を作る。ただし、その油圧は“踏み応え”を演出するストロークシミュレーターという機構が受け止め、リアルのブレーキには作用しない。

 実はこちらの油圧にはもう1つ役目がある。回生協調ブレーキが故障した時のバックアップだ。バーチャル機構で作り出した油圧で、非常ブレーキを動かす。このために、リアル世界とバーチャルの世界をその時だけつなぐ遮断弁を設けている。

プリウスの摩擦ブレーキの仕組み(概念図)

 プリウスの失敗は、この遮断弁を安易に開いてしまったために起きた。回生協調ブレーキは普段「省エネモード」で利く。回生ブレーキ、摩擦ブレーキという2種類のブレーキのうち、回生ブレーキを優先するようにコンピューターが配分する。回生ブレーキはモーターを発電機として発電し、エネルギーを電池にためられるからだ。一方、摩擦ブレーキではエネルギーは熱になって無駄になる。つまり、回生ブレーキを優先した方が、燃費は良くなる。

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