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中国工場を悩ます三重苦

2010年3月8日(月)

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日系メーカーの中国工場が猛烈な人手不足に直面している。春節休暇で帰省した従業員が戻らず、生産に影響が出ている。最低賃金引き上げも控え、生産コストの増加は避けられない。

 4500分の400――。

 春節休暇明け初日の2月22日、中国・広東省のある日系機械メーカー工場で働く従業員の欠勤率である。欠勤者のうち、連休前に申告していたのは3分の 1。大半は無断か、連休中に連絡してきたものだ。これは特殊なケースではなく、中国沿岸部の工場ではどこも同じような事態に見舞われている。

「部品不足」に「人手不足」

 中国では、春節休暇明けの労働者不足は1つの風物詩となっている。内陸部から沿岸部に出稼ぎに来ている「農民工」にとって、故郷に戻る春節が転職の最大の機会となるためだ。企業側もある程度の退職率を想定し、新規採用で補充するのが恒例となっている。

 しかし今年はその影響がケタ外れだ。まず、故郷から元の職場に戻ってこないワーカーの数が予想以上に多い。出稼ぎ労働者に支えられている華南地区だけで、100万~200万人の人手不足状態と言われている。

 悩ましいのは、人手不足が一時的ではなく構造問題となっていることだ。

 中国政府の景気刺激策によって、内陸部にも雇用の受け皿が生まれ、不動産など生活コストの負担が増えたことで沿岸部を敬遠する傾向も強まった。そのため、新規採用による欠員の補充が難しくなり、賃金アップや採用基準の緩和でしのがざるを得ない。

 特に今年は、電子部品の供給不足が企業を苦しめている。多くの工場は通常、春節の前に稼働率を高めて在庫を積み上げることで人手不足に備えてきたが、今年はそれが難しかった。デジタルカメラやOA機器のように、3月期の年度末や新年度に需要のヤマを迎える製品では、人手不足による生産の遅れは機会損失に直結する。

 企業の側も「あの手この手」を駆使している。帰省用の列車チケットをまとめて確保したり、駅まで専用の送迎バスを手配するのは当たり前。連休明けに手渡すお年玉「紅包」の大盤振る舞いや、帰省しないワーカーのための豪華な忘年会など、「お客様扱い」の引き留め策で各社が競っている。

 冒頭に紹介した機械メーカーでも、連休明けの例年以上の欠員を想定し、社長から従業員の家族宛に手紙を郵送したり、通常は春節前に支払うボーナスの半額を連休明けに支給するようにした。4500分の400という欠勤率はそうやって何とか達成した数字で、生産ラインを停止させずに乗り切った。

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「中国工場を悩ます三重苦」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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