都市部のオフィスビルでは空室率の上昇に歯止めがかからない。その裏でくすぶっているのが、CMBS(商業用不動産ローン担保証券)の「2010年問題」。償還不能な証券が続出すれば、金融機関の業績にも飛び火する恐れがある。
「今年はオフィス賃料をさらに1億円削減できそうだ」。NTTコミュニケーションズの山澤秀行総務部長は胸を張る。同社は、2007年から東京都内に分散していた事業所の集約に着手、13あった拠点を新たに借りた3拠点に集約した。1人当たりのフロア使用面積を0.5平方メートル減らしたうえ、年間10億円以上の賃料削減を果たした。
空室率は2003年水準に
停滞する景気を背景に、多くの企業が業務効率化とコスト削減のためにオフィス集約を進めている。その結果、都心のオフィスビルは今、かつてないほどの「空き状態」にある。
オフィス仲介などを手がけるシービー・リチャードエリスによれば、昨年12月末の東京主要5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィスの空き状況を示す空室率は、6.6%と3カ月前に比べて0.91ポイント増えた。空室率は2007年9月末の1.6%を底に9四半期連続で上昇が続いており、大型ビルの竣工が相次いだ2003年6月の6.7%と同程度の水準にまで上昇した。
一方で、オフィスの賃料相場はここ2年で大きく下がっている。リーマンショック前の2007年には1坪当たり8万円という値をつけていた高層ビルのオフィス賃料も今は昔。下図の通り、昨年東京・大手町に竣工した高層のJAビルでも成約事例で3万円台半ば。好立地の高層ビルでさえ、「5万円を超えるとほぼ借り手はつかない」とオフィスビル仲介会社は言う。

この傾向は今後も続く。2012年には、東京駅前の郵便局会社の高層ビルなど、大型物件の完成が相次ぐ予定だ。その供給量は、六本木ヒルズなどが竣工した2003年を凌ぐと言われている。「借り手優位の状況は当面変わらない」とオフィスビル情報を提供する月刊ビルディングの須藤浩之代表は言う。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。










