「時事深層」

ツイッターが揺さぶる情報開示

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2010年3月17日(水)

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個人が短文を投稿するネットサービス「ツイッター」の利用が企業に広まる。ソフトバンクの孫正義社長は新サービスを続々と“発表”し、話題の人に。一方で、公平な開示や、情報の真偽、公私の区別など経営課題も浮き彫りに。

 消費者A:「すべてのソフトバンクショップで無線LAN(構内情報通信網)を無料提供してもらえませんか?」(3月6日午前6時28分)

 ソフトバンク孫正義社長:「やりましょう。ついでに充電プラグも。4月末までに」(同日7時12分)

 消費者B:「ついでにイスはいらないから小さなテーブルと缶コーヒーでも置いてもらえれば待ち合わせにも使えて助かります」(同日午前7時16分)

 孫社長:「了解。できるだけ多くの店で」(同日7時49分)

ツイッターで経営者が対話

ソフトバンクの孫正義社長
ソフトバンクの孫正義社長はツイッターで消費者とやり取りを交わす(写真:的野 弘路)

 これは企業イベントでの会話などではない。孫社長と消費者が、インターネット上でわずか1時間半の間に交わしたやり取りだ(編集部注:趣旨を変えずに一部表記を変更)。大企業の社長に対して消費者が直接サービスの改善案を提案し、それに即座に答える。ネットの進化は、これまでは考えられなかった経営手法を生み出した。

 その震源地が「Twitter(ツイッター)」。米ベンチャー企業のツイッターが運営し、米国を中心に世界で1億人以上が使っているとされる。

 無料会員登録して、個人が携帯電話やパソコンから発言を投稿したり、閲覧したりできるサービスだ。140字以内という制限があって2〜3行の短文がほとんどなので、ツイッターに投稿することは「つぶやく」と称される。冒頭の会話もツイッター上のものだ。

 2008年4月に日本語対応が始まり、昨秋からは携帯電話に公式対応した。もともとはネットに詳しい若者を中心に人気を博したが、最近はその発信力や即応性に目をつけた経営者が業務目的も兼ねて自ら活用する例が増えている。その代表が孫社長だ。

つぶやきの例
孫正義社長によるツイッター上のつぶやきの例

 2月にもツイッターを媒介にして、障害者割引適用対象となる携帯電話料金プランを拡大した。3日に要望が寄せられ、9日に「できました」と返信。同日に正式発表された。

 活用例はほかにもある。

 価格比較サイトを運営するECナビは2月、ツイッターを活用した新卒採用活動を実施した。宇佐美進典社長は「IT(情報技術)に詳しく情報発信できる人が集まると考えた」と語る。楽天の三木谷浩史社長もツイッター活用で知られる。

 その利便性に注目が高まる一方で、課題も浮かんできた。重要な情報がツイッターの利用者だけに先に伝わることの是非である。

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著者プロフィール

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者。



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日経ビジネス “ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。

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