大手損害保険会社が4月、3陣営に再編される。海外展開に力を尽くすのか、国内の守りで足場を固めるのか。戦略の方向性が最終戦争の優勝劣敗を決める。
「去年の秋頃から、3陣営とも営業攻勢が激しくなってきた。うちと提携しているある(損害保険)代理店が、地場企業との自動車保険契約を更新できなくなりそうになった時に、損保会社の営業員に『(代理店が受け取る)手数料を削って保険料を値引きしてでも、契約を維持しろ』と迫られた。とんでもないことだ」
大阪府内のある大型損保代理店。中年の男性経営者は、怒りで顔を紅潮させながらこう言う。
大阪府内の別の代理店経営者はこうも話す。「今度統合する大手損保グループの損保2社は、統合・合併の比率を自社に有利にするためか、昨年秋から保険引き受けの審査を甘くしてでも契約を取ろうとしてきた。それでうちも今までなら通らないようなものが契約できるようになって驚かされた」。
「もう1つの統合損保グループの1社は去年途中まで、事故を起こした個人客の自動車保険の更新をなるべくしないように仕向けていたのに、年後半からは『自動車増収キャンペーンだ』と、いきなり言い出して売りまくれと号令をかけてきた。どういうつもりか、腹が立つ」
東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、ニッセイ同和損害保険、あいおい損害保険、損害保険ジャパン、日本興亜損害保険…。
損保を顧客に販売する代理店経営者らは、一つひとつの例に大手損保の社名を挙げながら、昨年後半から始まった大手損保の激しい営業攻勢に不満をぶちまける。
だが、なぜここにきて過剰なほどの営業合戦が始まったのか――。
地域トップの9割は統合2社に
激しいぶつかり合いの先に、4月に迫った大再編があるのは間違いないだろう。
三井住友海上グループホールディングスと、ニッセイ同和、あいおい損保が経営統合し、「MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス」に、損保ジャパンと日本興亜が統合して「NKSJホールディングス」へ。東京海上日動を傘下に抱える東京海上ホールディングスを含め、3社が鼎立するメガ損保時代のスタートである。
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