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東京都「排出量取引」の衝撃

2010年3月24日(水)

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4月1日、東京都が先行して「排出量取引制度」を始める。日本初、世界で3番目のキャップ・アンド・トレード型だ。だが、今後の国の制度次第では、存在意義を問われかねない。

 政府が動かないなら首都・東京が先に動く――。排出量取引制度導入の具体策を固められない政府を横目に、東京都が4月1日から日本初のキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度をスタートさせる。そこには、石原都政らしい気概がにじむ。

 政府が3月12日に閣議決定した「地球温暖化対策基本法」には、排出量取引が盛り込まれたが、具体的な制度設計はまだ。温暖化ガスの総量削減を義務づけるキャップ・アンド・トレードには民主党内にも反対論があり、方向性は定まっていない。

東京・新宿の都庁舎
4月1日、世界で3番目となるキャップ・アンド・トレードが東京都で始まる(東京・新宿の都庁舎)

 東京都の新制度は、2005年に世界に先駆けて始まった欧州排出量取引制度「EU-ETS」や、2009年に開始した米国の北東部10州の「地球温暖化ガスイニシアチブ(RGGI)」に続く、世界で3番目の本格的なキャップ・アンド・トレードになる。2008年6月に都の環境確保条例を改正し、施行にこぎ着けた。大規模事業所ごとにCO2(二酸化炭素)排出量の総量削減の義務を課し、未達分は排出枠を事業所間で取引する。それでも目標を達成できない事業所には、厳しい罰則が待ち受けている。約1400の事業所が対象になる。

 温暖化ガスの排出削減が進む工場(産業部門)に比べ、オフィス(業務部門)の対策は進んでいない。本社機能が集中する東京で、オフィスビルでの対策を進めようというのが、東京都が新制度を導入する表の理由だ。

 だが、その裏には、政府がもたもたしている間に、より良い制度を先行導入して国に後追いさせようという石原慎太郎都知事の思惑がある。背景には2003年にディーゼル車へ運行規制を東京都が先んじて施行し、周辺自治体へと広げていった“成功体験”がある。

2015年度に未達なら罰金

 東京都の新制度の具体的な仕組みはこうだ。

 東京都内で一定規模以上の建物や施設(大規模事業所)は、燃料や熱、電気の使用に伴うCO2を、今後5年間でオフィスなら平均8%、工場は平均6%を総量で削減する義務を負う。事業所ごとに定める基準排出量がキャップ(CO2排出量の上限)。目標とする排出量を上回った分は、排出枠の購入で補填。目標以上に削減できれば、その分の排出枠を売却できる。枠の取引は2011年度から行える。最終的に2014年度末に目標を達成していればよい。

 目標を達成できない場合、罰則が科せられる。2015年度中に未達成分の1.3倍の排出枠を購入する。それでもダメなら、違反事実を公表し、罰金50万円を科したうえ、都知事が取引を代行し、違反企業に費用を請求する。

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「東京都「排出量取引」の衝撃」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官