月200万円でも、空室を埋めるには礼金ゼロの物件も登場。「更新料は無効」という判決も、敷金、礼金に飛び火した。多額の借り主負担を前提とする賃貸契約が変わり始めた。
敷金、礼金はゼロ、家賃も数カ月無料にしますーー。

不動産紹介サイトを運営するネクストの調べによると、2009年10〜12月、首都圏において「礼金ゼロ物件」の割合はアパート、マンションともに全体の40%前後となり、前年同期と比べ約10ポイント増えた。一方、「敷金ゼロ物件」もアパートで約25%で、マンションは約20%。やはり前年同期よりもそれぞれ5〜10ポイントほど増えたという。
賃貸契約のピークを迎える3月にはキャンペーンを実施する不動産会社も多く、敷金、礼金ゼロ物件が加速度的に増えている。試しに家賃約20万円の物件について、不動産管理会社に問い合わせてみると「敷金、礼金は要りません。3月中に契約してくれれば、賃料ゼロの期間を何カ月か延長する交渉に応じますよ」と、すぐさま数十万円単位の値引きを持ちかけてきた。
不動産仲介を手がけるアパマンショップホールディングスの担当者は「家主に敷金、礼金をゼロにしてみないかと積極的に営業している」と言う。
大型マンションを手がける不動産会社の場合、その影響は一層大きくなる。
「もともと礼金は2カ月分もらっていた。ゼロにしたのは、同社としても珍しいケース」と住友不動産の担当者が示すのが、2月に完成した東京・西新宿にある「セントラルパークタワーラ・トゥール新宿」だ。
地上44階建てで、高さ約160mという同社最大規模のマンション。この物件は4月末までに入居した場合、礼金、引っ越し代がともにゼロになる。家賃200万円を上回る部屋もあるだけに、そこには苦渋の決断がうかがえる。
更新料ゼロ裁判が引き金に
賃貸住宅なら、「敷金、礼金、それぞれ家賃2カ月分」という慣例があった。それがなぜ崩れてきたのか。
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