「時事深層」

統合断念は大再編への序章?

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2010年4月6日(火)

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高島屋とエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)が経営統合を断念した。交渉開始から約2年。当初から統合を目指してきたが、両社の「違い」を埋めきれなかった。両社トップとも「今後」に含みを持たせる。破談が新たな再編の引き金となるか。

 初めから予想された破談劇だった。

 高島屋と、阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)が経営統合を断念した。両社は2008年10月に資本・業務提携し、2011年末までに統合することで交渉を進めていた。

 約1年半にわたる統合交渉で、「商品政策や店舗網、組織などに対する考え方がかなり違うと分かった」と鈴木弘治・高島屋社長は断念の理由を語った。断念を意識した時期は「昨年末」だったという。

実は2度目の「統合断念」

 しかし、その予兆は両社のトップが固い握手を交わした2008年10月の提携発表時点で既にあった。

 実は経営統合で合意できなかったのは今回が初めてではない。1年半前の資本・業務提携会見は本来であれば、両社の経営統合を華々しく発表する場になるはずだったからだ。

 両社が本格的な交渉を開始したのは2008年4月1日のことである。同日には三越伊勢丹ホールディングスが誕生、その約半年前には大丸と松坂屋が統合したJ・フロントリテイリングも生まれており、百貨店業界には「再編しなければ生き残れない」という機運が高まっていた。

 こうした流れの中で、大手百貨店で唯一、再編とは距離を置いていた高島屋がようやく動き始めたのだった。同社がH2Oに持ちかけたのは中途半端な「資本・業務提携」などではなく、初めから「経営統合」だった。

 だが、統合交渉はなかなか進まなかった。当時、連結売上高で1兆円を超えていた高島屋に対し、H2Oの売上高はおよそ半分にすぎない。阪急百貨店と阪神百貨店が統合し、大阪地区ではライバルを圧倒する百貨店となったH2Oだが、「統合すればのみ込まれるという恐怖心があったのではないか」(高島屋関係者)。

 結局、半年間の交渉で話はまとまらなかった。統合の決断を先延ばしにして、ひとまず株式の持ち合いと業務提携で「妥協」した結果が2008年10月の提携発表だった。

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著者プロフィール

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス記者。大学卒業後、化学メーカー、通信社での勤務を経て2000年に日経BP社入社。日経ビジネス編集部にて自動車業界や金融業界を担当。2006年に日本経済新聞社に出向。2009年に日経BP社に戻り、現在は流通業界を担当



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