• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

015|『本質か、現象か』、何を信じるのか?
「いいえ」を教えるドイツ

2010年4月6日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ドイツに長く暮らし思ったこと。街や人の暮らしがシッカリと大地に根をおろして築かれている。建物もクルマもモノも、すべてが日本よりも重く深く感じられるのです。

 物理的な重量もさることながら、そこに流れる精神的な重みは一体どこから生まれるのか。デザイナーとして、そして人間として、その「重み」を探ることは私にとって大きなテーマになりました。

 欧州の人間は基本的にタフです。個人主義と言ってしまえばそれまでですが、長く続いた戦いの歴史の中で人が人を信用できなくなり、信じられるのは自分だけになったのかもしれません。常に自分が中心。あくまでも自分の考えを主張します。そう簡単に周囲に惑わされることはありません。

 ドイツ人の友人宅に遊びに行った日のことです。奥さんが、小学1年生の娘が最近言うことを聞かなくなって困ると嘆いていました。なんでも学校で「Nein Sagen(ナイン・ザーゲン)」の授業が始まって以来、何でもかんでもイヤだと反抗を始めたらしい。

「いいえ、と言おう」「違う、と言おう」

 Nein Sagen、直訳すると「いいえ、と言おう」「違う、と言おう」です。

 生徒1人ひとりがみんなの前で、先生に言われたことに対して「いいえ、そう思いません」と答えなくてはいけない。そう答えるだけなら簡単ですが「なぜそう思わないのか」を説明できなくてはいけないという授業なのだそうです。

 これを学んだ小学1年生、家でお母さんに何を言われても「イヤだ。私はそう思わない。」とあらゆる屁理屈を並べては面白がっていましたから大変です。

 小学1年生でこのような授業が始まる国、ドイツ。恐ろしいというか、素晴らしいというか。

 一方、日本人は幼い頃から人のことを考えるように教育されます。自分よりも人の立場に立ちなさい。常に相手に対する思いやりを持ちなさい。国際的なビジネスシーンでウムウムうなずいている日本のビジネスマンの姿は、よくわからない会話にも何故かうなずいてしまうという日本人の悲しい習性を表している場合もありますが、自分を押し通すばかりではなく、できるだけ相手の意見に耳を傾けようという謙虚さ、優しさからくるものではないでしょうか。

 私自身、いまだに「ちょっと違うんじゃないか」と思いながらうなずいている自分と格闘することがしばしばです。人の話をよく聞きなさい、と教育されて育ちましたので。

 謙虚さ、優しさは日本人の美徳だと思います。ドイツ的見方からすると、単にハッキリしない奴、自分というものがない人間と捉えられてしまう可能性が大ですし、なかなか世界では理解されない場面も多いでしょうが、日本が誇るべき感性です。

 ところが、本来素晴らしいものであるはずのこの感覚が、今の日本の社会におけるこころの問題になっているような気もするのです。

コメント0

「未来の日本をデザインしよう」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

富士山を目標にする人はいつか富士山には登れるでしょうが、エベレストには登れない。

澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長