ツイッターの世界で成功するにはどうすればよいのか? 企業がツイッターに取り組むときに、一番知りたい質問ではないだろうか。優秀な社員をツイッター担当者に任命することだろうか。それとも、炎上を防ぐために立派なマニュアルを作ることだろうか。それらも重要かもしれないが、もっと大事なことがあるようだ。
『ツイッターノミクス』(文芸春秋刊)の著者タラ・ハント氏は、ツイッターに代表されるネットの世界で成功するには「ウッフィーを貯めることが秘訣」だと記している。「ウッフィー」とは耳慣れない言葉だが一体何なのだろうか。なぜツイッターではウッフィーが重要なのだろうか。来日したタラ・ハント氏と解説者の津田大介氏が登場したトークショーの模様を報告しよう。
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津田大介(以下、津田):改めてウッフィーとは何かを教えてほしい。

タラ・ハント(以下、タラ):ウッフィーとは、『マジック・キングダムでおちぶれて』(ハヤカワ文庫)で、作家のコリイ・ドクトロウが発明した言葉だ。ここには、将来はお金や通貨の代わりがウッフィーになると書かれている。「ウッフィー・スコアが高い」「ウッフィーが貯まっている」ということは、その人が「信頼されている」「さまざまなネットワークがある」ということ。具体的には、仕事をする機会が増える、お客さんが増える、よい契約できるようになる。これがウッフィーの経済と実市場経済との接点だと思う。
ウッフィーを貯めるには?
津田:ウッフィーを貯めることで、生活ができるかという問題もある。ウッフィーが貯まった人が実世界でどう生活が変わるかという例を聞かせてほしい。
タラ:ウッフィーでは、食べることも家賃を払うこともできない。ただ、こんな例がある。カナダのミュージシャンが稼いだお金を慈善事業に寄付してしまって手元にはごくわずかしか残さない。このことをみんなが知っているので、レストランでは彼に無料で食べさせてくれるし、大家さんも家賃を安くしてくれた。だから少しのお金しかなくても食べていけた。よいことをしてウッフィーが高まると、それで生活ができるということだ。これは本当に素敵なことである。

津田:ツイッターのタイムラインでこんな質問がありました。ウッフィーはコミュニケーション能力が高く、献身的で外交的な人のものであり、そうでない人はウッフィーをどう貯められるのか教えてほしい。
タラ:ウッフィーは、何かで貢献すると高まるものである。それも、自分が所属するコミュニティに対して貢献をすると効果が高い。例えば、オープンソースのプロジェクトに参加してコードを書いたりサポートをしたり、議論をしたりするといった具合だ。シャイな人であってもこうした貢献をすればウッフィーは高まる。ここで大事なのは、「気前よく提供する」ということだ。
津田:インターネットでは中傷などもある。『ツイッターノミクス』では、ネット上の皮肉や中傷にどう対応するかも丁寧に書かれていたのが印象的だった。どう対応するのか、どうかわすのがよいのか、経験も含めて教えてほしい。
タラ:数年前に私のブログに非常に否定的なことを書いてきた人おり、これに私はがっちり抗戦しようとして、逆に何度も何度も否定的なことを書かれてしまった。この経験の後、別の対応もあったのではないかと考えるようになった。例えば、「この本はつまらない」とツイッターで言われたときに、「バーカ」と返す代わりに、「どこがよくなかったんでしょう」と聞くなど、相手の声に関心を向けるということだ。オンラインでは、相手が感情のある生身の人間であることを忘れてしまう。これを決して忘れてはいけないと思う。
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