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寿命100年に挑戦

錆や傷に強い塗装(クボタ、トヨタ自動車)

  • 神農 将史

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2010年4月20日(火)

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塗装を改良することで耐久性を飛躍的に向上させた製品が登場している。クボタは新開発の亜鉛合金を塗装に採用し、100年使える水道管を開発。トヨタ自動車は洗車傷を復元する塗装を、レクサスの最高級モデルに標準装備した。

 日本人1人当たりが1日に使用する水の量は約300リットル。全国に張り巡らされた水道管が日々、我々の喉を潤し、生活に必要な水を供給している。その距離は約60万kmに及ぶ。

 この巨大なインフラ網の寿命が今、話題になっている。水道管の法定耐用年数は40年。だが現在、水道管の更新ペースは年間1%程度しかない。このペースだと、すべての水道管を更新するために100年かかる計算だ。

 日本で近代的な水道が始まったのは1887年10月。英国人技術者を招いて横浜で開始した。近代水道の開始から110年以上がたっているように、日本各地には「戦前から使われている水道管も多い」と日本水道工業団体連合会の坂本弘道・専務理事は指摘する。

 鉄製の水道管にとって、寿命に大きな影響を及ぼすのは錆だ。水道管に錆が広がれば、水質悪化で人の健康に影響を及ぼすほか水漏れによる水資源の浪費が進む。水道管大手のクボタは「1%更新」によるこれらの問題を防止するため、新しい水道管「GENEX」を今年10月にも発売する計画だ。GENEXの耐用年数は100年。つまり現在の更新ペースでも、理論上は不都合なく水道管を使用し続けることができる。

塗装に施した2つの工夫

 GENEXの耐用年数が100年に延びたのは、水道管を覆う塗装の寿命を延ばしたためだ。水道管に使われている鉄はそれだけで30年の寿命を持っている。このためGENEXで使われた塗装の寿命が70年になれば、全体で100年の寿命を実現できる。クボタはGENEXでは、鉄でできた水道管を保護するために行う塗装で、2つの改良を加えている。

 その1つが、塗装に使う成分を、亜鉛(Zn)から亜鉛にほかの金属が混ざった亜鉛合金にした。水道管に亜鉛を吹きつけているのは、亜鉛が持つ「犠牲防食」という仕組みを利用して、鉄が錆びるのを防ぐためだ。

 犠牲防食とは、亜鉛を吹きつけられた部分が傷ついて、鉄の表面がむき出しになった時に、鉄が酸化して錆びる前に、傷の表面に近い亜鉛が溶け出して、むき出しになった鉄を覆うこと。つまり鉄が錆びるのを防ぐため、亜鉛が犠牲になって錆びるのだ。

 GENEXで使われる塗装には、亜鉛以外に錫(Sn)とマグネシウム(Mg)が配合された亜鉛合金が使われている。亜鉛ではなく亜鉛合金を吹きつけるのは、亜鉛の腐食を遅らせるためだ。亜鉛は水分に触れるとその部分が酸化亜鉛(ZnO)という亜鉛化合物に変化する。酸化亜鉛は亜鉛の錆のことで、亜鉛から酸化亜鉛への進行が進めば、鉄を覆っている亜鉛が失われていく。

 GENEXで採用した亜鉛合金も水分に触れると酸化亜鉛に変化する。ただし、腐食を起こしやすい塩分を含んだ水に触れた場合、塩基性塩化亜鉛という物質に変化する。水道管が埋められている地中には、埋め立て地や海沿いなどでは、塩分を含んだ水分が染み込んでいる場合も多い。

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