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プラハラードが日本企業に残した“遺訓”

新興国市場は実験場、“革新力”を競い合え

2010年4月20日(火)

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 4月16日に逝去した経営学の大家、C・K・プラハラード氏──(関連記事)。その早すぎる死を悼み、日経ビジネスの同梱別冊、日経ビジネスマネジメント2008年夏号に掲載した同氏のインタビュー記事を再掲。同氏の功績をしのぶ。

(注)記事中の役職、略歴、社名などは掲載当時のものです。

 世界経済を牽引してきた米国の景気後退が確実になる中、成長著しい新興国市場の重要性が一段と高まっている。

 にもかかわらず、そこに日本企業の姿は見えない。

 新興国市場の開拓には先進国と異なる事業モデルが必要だが、日本企業は慢心から変革を起こす力を失っていると分析。

 新興国でかつての力を取り戻せとプラハラード教授は説く。

 (取材構成:中野目 純一)

 かつて日本や台湾、韓国、中国といったアジアの企業は、主に米国と西欧諸国に対する輸出に力を入れてきました。アジアの国々や企業の繁栄は米国向けの輸出に依存していたと言っても過言ではありません。そのため、米国で起きたことはすべて、アジアの国や企業に影響を及ぼしてきたのです。

 しかし、ここにきて世界貿易のパターンが変わってきました。例えば、アジアの域内貿易が非常に重要になってきた。輸出先を多様化する必要性を認識し、アジアを中心に米国以外の国への輸出を増やした企業の業績は、米国景気の失速にもかかわらず、好調に推移すると見ています。

新興国で後れを取った日本勢

 ここで興味深い例を挙げましょう。フィンランドのノキアは今年、世界で4億台の携帯電話機を販売すると予想されています。これは世界の総販売台数として推定されている10億台の実に4割を占めます。

C・K・プラハラード
米ミシガン大学経営大学院教授。インド生まれ。数多くの多国籍企業のコンサルティングを手がける。世界的なベストセラーとなった『コア・コンピタンス経営』(日本経済新聞社)、『ネクスト・マーケット』(英治出版)の著者として日本でも知られる。
(写真:Edward Carreon 以下同)

 一方、日本の携帯電話機メーカーはどうでしょうか。彼らは先進国の市場にフォーカスしています。新興国の市場には依然として力を入れていない。ノキアはかなり早い時期から、中国やインドの市場に進出しました。その結果、例えばインドでは今、月間800 万台の携帯電話機を売っています。年間ではなく月間ですよ。そして同社はインドで7割のシェアを獲得しています。

 これはひとえにノキアがインドに最初に乗り込んだからです。彼らは新興国の市場が先進国と同じくらい重要であることを早くから理解していたわけです。

 テレビやデジタルカメラ、デジタルビデオカメラといった製品についても同じことが言えます。これらの製品の販売においてインドで驚異的な成功を収めているのは、日本のメーカーではなく韓国のLG電子です。ソニーや松下電器産業のような日本の巨大メーカーでさえ、インドでの販売実績は芳しくない。それは、彼らが新興国の市場を先進国市場の代替とは見ていても、主軸の市場とは考えてこなかったからです。

 先進国の市場だけに依存するのは今や問題です。米国や日本、西欧が重要な市場ではないと言っているわけではありません。先進国の市場だけでは高い水準の成長を持続するには十分でないと申し上げているのです。ブラジル、メキシコ、東欧、インド、中国といった新興国の市場に参入しなければなりません。その重要性は、今回の米国の景気後退によって明確になるでしょう。

 新興国市場に進出するには、企業は従来とは全く異なるビジネスモデルを考案しなければなりません。従来と同じビジネスモデル、同じ製品では売れないからです。

 例えば新興国の数億人の人々に携帯電話機を販売するには、価格を25ドル程度に引き下げることが求められます。さらに電話料金のプリペイドカードを用意するといった工夫もしなければなりません。しかし、それで億単位の人々に売れれば、それは大きな商機になります。

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「プラハラードが日本企業に残した“遺訓”」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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