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経済学の復活はなるか

2010年4月27日(火)

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金融危機以降、存在価値を問われ始めたマクロ経済理論。ジョージ・ソロス氏の研究所が経済学者を集めた会議を主催。あるべき姿を巡り議論が戦わされたが、改革への道は厳しい。

 経済学者ジョン・メイナード・ケインズが約70年前、思考と探求を重ね、マクロ経済学を確立させた場所として知られる英ケンブリッジ大学キングスカレッジ――。ここに4月8日から3日間、世界の著名な経済学者や政策立案者、思想家ら約200人が集まり、「経済危機と危機に直面する経済学」をテーマに議論を戦わせた。

ソロス氏から5000万ドル

 ノーベル経済学受賞のジョセフ・スティグリッツ氏やジョージ・アカロフ氏を含め、ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授、ケインズ研究の大家ロバート・スキデルスキー氏、国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事、Y.V.レディ前インド中央銀行総裁など、参加者の4人に1人に当たる53人が講演。議論は経済理論の限界から過去の危機分析、危機における政府の役割、ひいては格差問題にまで及んだ。

ソロス氏(左)がストロスカーンIMF専務理事らを一堂に集めた(写真:Robert Massam)
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 会議を主催したのは、著名投資家ジョージ・ソロス氏が今後10年間、毎年500万ドル(約4.6億円)を寄付するという約束によって、昨年10月に設立された新経済思考研究所(INET)だ。

 ソロス氏はINET及びINET創設記念会議への期待をこう語った。「今回の経済危機で、経済学は危機到来を予測することも、何が起きたのか、どう再発防止できるかも説明できないことが判明した」としたうえで、「今や金融機関にかつてないモラルハザード(倫理の欠如)が広がっている。(危機が再発しないよう)経済学及び規制のあり方を根本から考え直してほしい」。

 現在支配的なマクロ経済学の理論を抜本的に見直す必要性には誰もが賛成したが、実際に成果を出すのは容易ではない。それは最も白熱した金融規制を巡る議論からもうかがえた。

 英金融監督機関の金融サービス機構(FSA)のターナー長官は、規制強化に乗り出す姿勢を鮮明にした。「『大きすぎて潰せない(Too Big to Fail)』問題への対応はもちろん、銀行の自己資本及び流動性確保を巡る規制は、従来の固定概念を捨てて抜本的に見直し、景気回復を損なわない形で20 年以上の歳月をかけても強化する必要がある」。

 5月の英総選挙で保守党が勝った場合、FSAの機能は英中央銀行に吸収される。この規制強化を実現できるかは政治の風向き次第だが、英国に経済学改革の機運があることは確かだ。

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「経済学の復活はなるか」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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