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検察審査会の本来の目的とは

「起訴相当」とされたのは不動産取得の期ズレの問題

  • 郷原 信郎

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2010年5月10日(月)

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 4月27日、陸山会の不動産取得に関連する政治資金規正法違反についての小沢一郎民主党幹事長に対する東京地方検察庁の不起訴処分について、東京第5検察審査会は起訴相当の議決を公表した。

 これを受け、新聞、テレビ等のマスコミ、自民党などの野党だけではなく民主党の内部からも、「小沢氏の刑事責任を追及すべしとする民意が示された」として、小沢氏の政治責任を追及し、幹事長辞任を求める声が高まり、小沢氏は窮地に立たされている。

 かつては、検察審査会が、検察官が行った不起訴処分が不当だとする議決を出しても何ら法的拘束力はなく、検察が再捜査の末、再度不起訴にすることに何の制約もなかったが、2009年5月に施行された検察審査会法の改正によって、「起訴相当」の議決が2回行われた場合には、裁判所が指定する弁護士によって強制的に起訴の手続きがとられることになった。

 このような起訴強制という制度の導入によって、今回の「起訴相当」という議決の結論が重大な政治的影響を及ぼすことになった。

 しかし、今回の検察審査会の議決については、いかなる事実が起訴相当とされたのか、という点がほとんど報じられておらず、また、制度の目的や議決に法的拘束力が認められるに至った経緯も十分に理解されているとは言い難い。

 これらの点についての理解を欠いたまま「起訴相当」という結論だけが独り歩きし、政治状況に重大な影響が生じるのは、民主主義と司法の関係という面でも憂慮すべき事態である。今回の議決をめぐる問題を整理して考えてみることとしたい。

検察審査会への申し立てまでの経緯

 まず、今回の議決で「起訴相当」とされた被疑事実の中身である。

 要するに、平成16年分の収支報告書に土地代金の支払と土地の取得について記載せず、平成17年分の収支報告書に記載したのが、いずれも虚偽記入にあたるということだ。

 代金を支払って土地を取得したのが平成16年10月末なのに、それが政治資金収支報告書には平成17年1月7日と記載されていることが「虚偽」であり、それらの点について小沢氏の共謀の責任を問うべきだというのが検審の議決の趣旨だ。

 しかし、そのような不動産の取得時期、代金支払いの2カ月余りの期ズレの問題が、政治資金規正法上、重大だと言えるのであろうか。不動産の取得時期を、代金支払の時期とするのか、登記が完了した時点とするのかについては考え方の違いがあり得る。登記時点で不動産を取得したとの見解をとり、代金支払の時期もそれに合わせて2カ月ほどずらして記載した、ということなのであれば、それが間違っていても、収支報告書作成に関する単なる事務手続上の問題であり、報告書訂正でも何ら問題はないはずだ。

 このような事実だけでは、民主党幹事長の小沢氏のみならず、いかなる国会議員も起訴すべき政治資金規正法違反事実とは言えない。そのことは、検察の捜査でも、マスコミ報道でも、当然の前提とされてきたはずだ。

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