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結局、大切なのは「社会の評価軸」より「個人の座標軸」

自分で自分の人生をデザインする方法

2010年5月18日(火)

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 「グローバル化」に代表される大規模な社会構造変革の真っただ中にいる今、「企業」だけではなく「個人」のあり方も大きく変わりつつある。今日の正解が明日も正解かわからない市場環境において、「個人」は「企業」の論理で敷かれたレールの上で、自らの人生設計をし続けることが本当にできるのだろうか? 個人のキャリア構築への意識が高まり、終身雇用制度が崩壊しつつある中、転職マーケットの中で泳ぎまわることが、新しい時代で価値を持つ真のキャリア形成につながるのだろうか? 当コラムでは、コンサルティング会社に勤める一人のプロフェッショナルの日々の生活と、彼の目線を通じて、これからの時代の「個人」の生き方について考えてみたい。

 私は2008年5月に出来た新しいビジネス・コンサルティング会社「シグマクシス」のコンサルタントである。年齢は37歳である。ざっとキャリアを説明すると、東京大学卒業後に日本銀行に入り、9年後にマッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン(以下マッキンゼー)に転職。その後かざか証券で投資先企業再生に携わった後、35歳の時に、立ち上がったばかりのシグマクシスに入社した。今は同社で大手製造業の事業改革の仕事や、サービス企業のM&Aなどに携わっている。

 当コラムを担当することになったきっかけは、2009年12月に私が個人で出版した本、「「コンサル頭」で仕事は定時で片付けなさい!(PHP研究所)」が、ひょんなことから編集担当者の目にとまったからだ。ひとことで言うと、「コンサルタントの問題解決手法を使うと、仕事だけではなく個人の生活もぐっと効率よく、楽しくなりますよ。」ということを書いた本なのだが、編集者が興味を持ったポイントはその手法というより、そこで書いてある私の生活パターンと人生設計の考え方がユニークであるという点だった。一体なにがユニークなのか? それは、私が6時に起きて仕事を始め、18時には子供達を保育園にお迎えにいく「ワーキング・ファーザー」であるということだ。第一回目の今回は、当コラムの本論である「個人」と「企業」の新しい関係や、新しいライフスタイルのあり方といったテーマに入る前に、まずは私自身の話をさせていただこうと思う。

モーレツ日銀マンが働き方を変えたわけ

 念のために言っておくと、最初からワーキング・ファーザーになるべく、働き方を変えよう努力した「模範的な男性」だったわけではない。正直なところ変えざるを得なかったのだ。

 あれは私がまだ日本銀行に在職中の28歳の頃。長男が生まれるとほぼ同時に、アメリカペンシルバニア大学経営大学院に留学が決まり、育児休暇期間だった共働きの妻と子供を連れて渡米した頃に話はさかのぼる。家族そろっての華やかな留学生活と思いきや、ハードな授業と課題アサインメントの連続、さらには英語力不足が厳しさに追い打ちをかけ、教室でも勉強、夜中も家で勉強の日々。しかも日中、慣れない環境での育児に追われる妻を休ませるために、夜中の勉強中は育児も担当という「激務」が続き、「日本に帰れば、楽になるはずだから。」と信じて頑張っていた。

 そして2年後に帰国。日本銀行の考査局でメガバンクの決算を担当するという新しい任務を前に、わくわくしていた。渡米前の生活スタイルに戻し、時間を気にせずモーレツに仕事が出来ることも嬉しかった。しかし復職一週間前、すでに帰国して一足先に外資系金融機関に復職していた妻に、突然「あなた、夜のお迎えはどうするの? 私も忙しいんだけど。」と言われたのだ。妻は育児と仕事の両方を抱えている。恥ずかしながらその時に悟った。私だけが、かつてのように自分の職場のペースで仕事をするという選択肢は、すでに残されてはいなかったのである。

18時退社には代償が伴う。ならば、自分に力をつけよう

 復職後の部門には、7名の部下がいた。私は着任して早々、「自分は18時には会社に出るので、必要なミーティングは17時までに入れること」と全員に伝えた。限られた時間で仕事を済まそうと思うので、本人である私はもちろんのこと、部下達も必死である。有限な時間の中でパフォーマンスを出す工夫を全員でする毎日を繰り返し、そのおかげもあってか、残業ゼロにも関わらず、組織の中での人事評価は落ちることなく、特段、私のワークスタイルが問題視されることもなかった。もちろん18時に帰るのは大変だったが、いいことも沢山ある。子供が一番可愛い時期に一緒に過ごせるというのは、親にとって最大の喜びだし、なにより一日が2回あるようで楽しかった。

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「結局、大切なのは「社会の評価軸」より「個人の座標軸」」の著者

柴沼 俊一

柴沼 俊一(しばぬま・しゅんいち)

日本銀行、マッキンゼー&カンパニー、ファンド投資先経営を経て、2009年1月からシグマクシスに入社。パートナー(役員)として、戦略コンサル、M&Aアドバイザリー、事業開発など、新サービスを開発・提供

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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