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中国はなぜ北朝鮮の訪問を認めたのか

対米国、揺らぐ日本とは対照的

  • 鍛冶 俊樹

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2010年5月17日(月)

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 北朝鮮の金正日総書記が5月3日に突如として中国を訪問、6日には胡錦涛中国国家主席と会談した。この動きに、世界は敏感に反応した。韓国では全軍主要指揮官会議が招集され、日本も外務省の齋木昭隆・アジア大洋州局長を米国ワシントンD.C.と中国北京に派遣した。

 背景には、3月26日に黄海の南北境界線付近の韓国側で起きた韓国哨戒艦が爆沈した事件がある。北朝鮮の関与が強く疑われている時期の電撃訪中だからだ。

 北朝鮮の外交戦略はしばしば「瀬戸際外交」と呼ばれる。軍事的危機を演出し、ぎりぎりの交渉に持ち込んで相手の妥協を勝ち取るというものである。今まで繰り返されたミサイル実験、核実験、黄海上における韓国艦艇との軍事的衝突などもこうして北朝鮮によって“演出”された軍事的危機だったと見ることができる。

 すると今回の訪中も軍事的危機演出の一環ではないのか。北朝鮮が韓国哨戒艦を意図的に撃沈し第2次朝鮮戦争の危機を演出し、中国に支援をねだるという一種の瀬戸際外交ではないかとの類推が成り立つ。現実に米国や韓国では北朝鮮による攻撃という公算を強く疑う向きも少なくない。

 もっとも、瀬戸際外交の効果については疑問だらけだ。軍事的危機を引き起こすたびに国際的な経済制裁はより厳しくなり、結果として北朝鮮の経済は破綻しているからだ。同じような愚を繰り返すことについては、ここではいったん置いておこう。

 考えなければいけないのは、なぜこの時期に金正日総書記が中国を訪問できたのか、である。

バラク・オバマと胡錦濤が並ぶ意味

 中国にしてみれば、北朝鮮の戦略は迷惑この上ないはずだった。支援をただ取りされ、しかも国際社会からは北朝鮮に味方していると疑惑の眼差しで見られる。

 昨年来、中国は国際社会で非難され、つらい立場にあった。COP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)での中国の非協力的な対応が問題となった。また、米国の人民元切り上げ要請を拒否し、国際経済への非協力的な態度が鮮明となった。

 日本を抜いて世界第2位の経済大国にのし上がろうとする矢先だったが、「中国は日本のような国際協調性を有しない国なのではないか?」「日本は先進国サミット入りして以来、主要国としての責務を果たそうと努力してきた。中国はそうした努力をしない。主要国入りするにふさわしくないのではないか?」・・・。そんな疑念が世界から中国に向けられていたのである。このような状況で北朝鮮と近づくのはデメリットでしかない。

 だが、ここに来て、大きな変化があったようだ。胡錦濤国家主席は4月12日、ワシントンD.C.で開かれた核安全保障サミットに参加した。バラク・オバマ米大統領に懇願される形での参加だったから、米国の対応も手厚かった。メディアで「Loopy(ルーピィ)」と形容された日本の鳩山由紀夫首相への待遇とは大違いだった。各国首脳の集合写真を見れば一目瞭然。胡主席はオバマ大統領と同列だが、鳩山首相は一番隅に追いやられていた。

 中国は遂に、「アジアの代表」と言われた日本を追い落とし、主要国入りを果たした格好となったのである。

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