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マグロ危機、背景に不透明取引

  • 藤田 香(日経BP社環境経営フォーラム生物多様性プロデューサー)

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2010年5月19日(水)

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大西洋クロマグロの国際取引を禁止する案がワシントン条約で否決された。食文化の違いでもある鯨とは違い、マグロ問題の背景にはビジネス構造がある。もともとは日本の食を守るため確立された蓄養が、マグロの乱獲を招いた。

 築地市場にも近い東京港・大井埠頭。4月下旬、この埠頭に地中海の“生け簀”で育った大西洋クロマグロを積んだ船が接岸した。マイナス60度の超低温で凍らせたマグロが船から保冷車に移され、商社や水産会社の冷凍倉庫に運ばれていく。大西洋クロマグロが日本に輸入されるのは3~4月がピーク。倉庫に搬入された大量の冷凍マグロは向こう1年間、日本の食卓への安定供給を約束してくれる。

 3月にカタール・ドーハで開かれた野生生物の国際取引を規制するワシントン条約締約国会議で、大西洋クロマグロを「付属書?(禁輸)」にする案が否決されたのは記憶に新しい。資源枯渇を理由に禁輸案に賛成する欧州連合(EU)と米国に対し、世界のクロマグロの約8割を消費する日本は反対を表明。禁輸案が否決されると、「食は守られた」と国内は勝利一色に包まれた。

「勝利」の陰に語られない事実

 日本にとってクロマグロの問題は食料安全保障上の危機と受け止められた。海の生態系を守る、つまり「生物多様性」という新しい環境問題が、商業的な水産物にまで規制の網をかけてくることを危惧し、クロマグロへの規制を許せばほかのマグロ類や水産物にも波及すると恐れたのだ。環境保全を掲げる欧米と食料安全保障のために防戦する日本の対立、と多くの人の目には映った。

 しかし、そこには語られない事実がある。大西洋クロマグロの大半は、生け簀で餌を与えて育てる「蓄養」で生産されている。短期間でマグロを成長させてトロ部分を多くする
蓄養は、そもそも日本の旺盛な需要に応えるために、EUの蓄養業者と総合商社など、日本の輸入業者が協力して構築したシステムだ。

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