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【隠れた世界企業】日本の鐘、世界に響く

老子製作所(富山県高岡市、梵鐘・仏具などの製造販売)

2010年5月27日(木)

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全国の寺で打ち鳴らす梵鐘の製造において、シェア70%の実績を持つ。200年を超える歴史の中で、日本固有の低音で長い響きを確立した。万博開催中の上海市の寺に納めるなど、海外からの受注を増やしている。

 全国の寺で響き渡る梵鐘(ぼんしょう)。日本人は節目節目で、鐘の音に時や心の移ろいを投影してきた。

 その梵鐘で国内シェア70%を持つのが老子(おいご)製作所だ。本社がある富山県高岡市は、加賀藩の庇護で江戸時代から銅器の生産が盛んだった。同社は江戸中期に創業し、明治元年に屋号を老子とした。青銅からなる梵鐘作りで、200年超の歴史を持つ。現在の老子秀平社長は13代目に当たる。

老子製作所の老子秀平社長は、「梵鐘作りの伝統を守る」と話す (写真:藤間 信行)

 これまで大小の鐘を合わせると累計で2万口ほどを製造し、全国の寺からの信頼は厚い。西本願寺や三十三間堂、比叡山延暦寺、成田山新勝寺といった名刹が同社の梵鐘を導入してきた。また毎年8月6日の広島平和記念式典で、黙祷とともに鳴らす平和の鐘を製造したのも老子製作所だ。

戦後の特需で急成長

 同社は鋳物作りのノウハウを生かして、日蓮聖人などの銅像や、寺院建築金物などの建造物も作るほか、産業機械向けの鋳物も製造している。この梵鐘と建造物、産業機械の3つの事業が柱で、売上高の3分の1ずつを分け合っている。

 梵鐘作りの歴史は古い。今からおよそ1400年前の飛鳥時代に、仏教の伝来とともにアジア大陸から梵鐘が伝わったとされる。

 仏教が日本独特の宗派を生み出したように、梵鐘も日本独自の発展を遂げた。最大の特徴は響きだ。日本の梵鐘は、「ボーン」という低くて長い音に特徴がある。平家物語の冒頭に「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」とあるように、日本の仏教ではその余韻に無常観を投影させてきた。それに対して、アジア大陸の梵鐘は余韻が残る長い響きを求めない。

 老子製作所はその鐘の音に徹底的にこだわってきた。同社の梵鐘を導入した東京都墨田区の法恩寺の住職である鈴木貫元氏は、「低音の重い音を鳴らすと、お経が響き渡る感じがする」と話す。

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「【隠れた世界企業】日本の鐘、世界に響く」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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