みなさん、お久しぶりです。タナカ(仮称)のオルタナティブ政治経済研究所、選挙スペシャルが始まります。
オルタナティブとは、「別の」とか「もう1つの」とか、といった意味です。つまり、今までの標準的な解説とは違った視点で、政治や経済について考えてみようというコラムです。
でも、これまでタナカ(仮称)がこれまでの連載で主張してきた市井の立場(「やちよ経済構想」「やちよ文明構想」)からの発言であることに変わりはありません。
もうすぐ参議院議員選挙です。そこで、今回の連載では、「政治に騙されないために、みんなで考えておくべきこと」を取り扱いたいと思います。
前回の連載では、「今こそ旗色鮮明なアドボカシー・ジャーナリズムが必要」と申し上げました。それを、ちょっとだけ実践してみようと思うのです。
次回以降、実も蓋もない話になるかもしれません。また、あえてこの国が思考停止している部分について触れることになるかもしれません。今回は、その補助線として、2つの話題をご提供します。
政権交代でワタシたちが欲したもの
まず、時代認識の話です。そしてもう1つは、政党のポジショニング・モデルです。個々の政治家の思想信条を越えて、政治の構造自体が政党をある位置に追いやっていくということです。
初めに、ワタシの時代認識を申し上げます。ここは、それほどオルタナティブではありません。
現在は、時代の画期にあります。大きな枠組みでは2つ。
1つ目は、文明化した人間の社会が、人口の壁にぶつかりつつある時代。資源やエネルギーが枯渇の危険性を孕んで、価格が高騰しています。これは、古典派経済学者の象徴であるトマス・ロバート・マルサス流に考えると、定常状態への移行期とも言えます。これまで何度もそのような壁が指摘されてきました。しかし人間の社会は、この危機を技術革新で乗り越えてきました。もしかしたら、今度もそうかもしれません。
でも、何らかの対策は必要で、それを主導した国が、時代の覇者になるでしょう。これは、鉄器を開発したヒッタイト民族が繁栄したとか、科学・工業文明を築いた西欧諸国が繁栄したとか、というような次元の話です。
2つ目は、西欧文明にやられっぱなしだった非西欧諸国が台頭し、急速にキャッチアップしている時代。日本は蝙蝠(コウモリ)のように両者を行き来していましたが、非西欧諸国が総じて生活水準を向上させ、西欧諸国が相対的に地盤沈下していく中で、「非西欧諸国で唯一の列強」という立ち位置を失いつつあります。これは、インドの植民地化、中国でのアヘン戦争、明治維新といった一連の時代の流れが終息しつつあるということを意味すると考えるのが適切でしょう。
こうした流れを踏まえて国内事情を見てみると、第2次世界大戦が終わり、冷戦構造の中で築かれてきた、いわゆる55年体制が崩壊し、別の体制を模索している移行期と考えます。その過程はまだ収束していません。今回の参院選は、それがどの方向に向かうのかを決定する、大事な選挙と考えられます。だから、この連載を書くべきだと思ったのです。
自民党と社会党が対立しつつ、相互依存してきた「古き良き」時代はとっくに終わりました。国内で米ソの代理抗争を演じてみせる必要がなくなったからです。その後、徐々に自民党は歴史的使命を終え、経済運営も滞り、借金財政が残りました。自民党内部でも様々な自己改革の機運がありましたが、基本構造を自己否定するには至らず、結局、国民は「政権交代」を求めたわけです。それは、有権者にとって自分のものであるはずの日本国が、どんどん遠く小さくなって、自分たち以外の誰かのものになってしまっていく、そういう喪失感に歯止めをかけたかったからです(「『友愛』という甘い響きは、進取の気性を失わせる」参照)。
政権交代は、ほかの不安点を圧倒する価値があると考えられたので、「民主党の政策は無節操なバラマキじゃないか」「できもしない政権公約をしてどういうつもりだ」と思っても、それをぐっと飲み込んで、まず政権交代を優先しました。
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