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都水道局、水ビジネス進出

2010年5月31日(月)

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日本勢が買収した豪州の水道会社に、東京都水道局が参画。漏水防止や料金徴収などノウハウの海外展開を始める。87兆円とも言われる水ビジネスで日本連合の触媒を目指す。

東京都の猪瀬直樹・副知事は「東京水道というブランドを使って日本勢がビジネスしてほしい」と語る(写真:都築 雅人)

 「最近になって水ビジネスのスピードが一気に加速してきた。交渉相手があるから明言できないが、次から次へと案件が持ち込まれている」。猪瀬直樹・東京都副知事は5月21日、本誌の取材にこう語り、自信をのぞかせた。

 国内最大の水道事業者、東京都水道局が海外進出に本腰を入れ始めた。

87兆円市場に挑む

 手始めとなるのが、豪州第2の水道会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・オーストラリア(UUA)に対するコンサルティング業務である。三菱商事が5 月11日に、官民出資ファンドの産業革新機構などと共同で買収すると発表した。買収額は2億2500万豪ドル(約170億円)で、今年9月までに事業を引き継ぐ新会社を設立する予定だ。

 「設備の再設計などで、東京都のアドバイスを求めることになるだろう」と産業革新機構の西山圭太・執行役員は話す。

 ただし、自治体が海外で直接営利事業に乗り出すのは制度上、難しい。そこで、東京都が51%出資する第3セクター「東京水道サービス」がUUAの承継会社とコンサル契約を結ぶ予定だ。

 東京都が売りとするのは、漏水率の低さだ。浄水場から各家庭の蛇口に届くまでに漏れる割合は、ロンドンやパリといった先進国の都市でも約20%に達する。一方、東京都のそれは3.1%に過ぎない。加えて、水道料金の徴収率は99.9%に達する。浄水場で作った水を管理し、お金に換えるノウハウは世界一と言っても過言ではない。

コメント2件コメント/レビュー

水関係の業務に就いているのでこの問題はよく目にしているが、上水の管理を民間に委ねるのはやはり問題がある。一つには、住民が水道サービスを選択することが出来ないため受益者負担が上昇しやすくなる。二つ目には(あってはならないことだが)事故発生時の問題があり、民間企業の資本力ではとても対応できない。結果としてコスト削減にはつながらず、受益者の負担が増大することは避けられない。一方、国内においては上水は厚労省、下水や河川は国交省の管轄である。下水道も国交省管轄のものを指し、農業集落排水処理は農水省など、汚水処理系の違いでも管轄省庁が異なる。水資源の一体化を図るにはこのような縦割りも考慮しなければならない。都の水ビジネスも他に売り込むよりも都内の水資源管理にもっと注力してもらいたいと思う。(2010/05/31)

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「都水道局、水ビジネス進出」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

水関係の業務に就いているのでこの問題はよく目にしているが、上水の管理を民間に委ねるのはやはり問題がある。一つには、住民が水道サービスを選択することが出来ないため受益者負担が上昇しやすくなる。二つ目には(あってはならないことだが)事故発生時の問題があり、民間企業の資本力ではとても対応できない。結果としてコスト削減にはつながらず、受益者の負担が増大することは避けられない。一方、国内においては上水は厚労省、下水や河川は国交省の管轄である。下水道も国交省管轄のものを指し、農業集落排水処理は農水省など、汚水処理系の違いでも管轄省庁が異なる。水資源の一体化を図るにはこのような縦割りも考慮しなければならない。都の水ビジネスも他に売り込むよりも都内の水資源管理にもっと注力してもらいたいと思う。(2010/05/31)

これはがんばってほしいですね。世界中で安心な飲料水を安価に供給する。これこそ国際貢献でしょう。回収したペットボトルを中国に流して小銭を稼ぐよりよっぽどいいですね。(2010/05/31)

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