「あれ? これってさ、あの“B党”のことだよね」
6月9日付の全国紙朝刊を見て、我々、政策アンケート取材班は内輪でいたく盛り上がった――。
この日の朝刊は、菅直人内閣の顔ぶれをカラーの写真付きで紹介していた。組閣を受け菅首相が語った内容から、例えば日経新聞は1面見出しを「成長と財政再建・両立」とした。つまり、財政再建をすることで経済の安定性を増しながら、同時に成長も目指す。そんな「二兎を追う」戦略に新政権は舵を切ることを紹介した。
「日経ビジネス」6月7日号が予言した未来
偉そうに言うつもりは毛頭ないのだけれど、こうした戦略が打ち出される未来を、「日経ビジネス」の6月7日号で予言していた。もし該当号をお持ちであれば、是非ともペラペラとめくってみていただきたい。94ページからの記事である。面倒な方は、以下をお読みいただいても結構です。
我々は、参院選を控えたこの時期に、全国会議員の政策スタンスを確認すべく「経済政策アンケート」を実施した。昨年、衆院選前に実施したものに続いて、今回で3回目を数える。
例えば、数年内に消費税を上げる必要があるかどうかについて、「思う=5」から「思わない=1」まで5段階で評価を聞いた。これを含めて全17問で構成した。
衆参の全国会議員721人(欠員1名)にアンケートを配って、139人から回答を得た。それを、「クラスター分析」と呼ばれる統計手法で、政策に対する考え方が近い国会議員をA〜D党の4つに分類。結果が下の図だ。
その主流派が冒頭で触れたB党である。
全回答者の半数近い61人が“所属”する。回答の全傾向を分析し、日経ビジネスはこれを「安定重視・成長派」と命名した。菅首相が打ち出した「成長と財政再建の両立」という政策は、これとよく似ている。
“所属議員”の面々がまた興味深い。このメンバー票を使って、菅氏は組閣したのでは?と思いたくなるほど、菅内閣の目玉人事と重なっている。
その1人が、官庁の中の官庁、財務省を取り仕切ることになった野田佳彦財務相だ(アンケート回答時点では財務副大臣)。そして、衆院の古川元久氏と参院の福山哲郎氏。共に官邸に入って、仙谷由人官房長官を支える官房副長官に就いた。さらには、「小沢はずし」の象徴として、民主党に復活した政策調査会の会長となった玄葉光一郎氏といった面々がB党に所属する。つまり、政策に対する基本スタンスが近いメンバーが、現実の政府と党それぞれの中枢に収まったということだ。
「げんば」と「いしば」、似るのは語感だけではない
第3回政策アンケートが示した“未来”は、もう1つある。党派を超えた再編の道しるべだ。
自民党からの「B党所属議員」を見てみよう。石破茂政調会長、菅義偉・元総務大臣、元金融・行革担当大臣の茂木敏充氏のほかに、野田毅氏や伊吹文明氏らの執行部や政策リーダーが顔を揃えた。仮に将来、政界再編ともなれば、こうしたメンバーが集いやすいことを表わす。
興味深いのは、民主党と自民党の政調会長が2人ともB党にいることである。
「げんば」と「いしば」――。
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