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「そっくりマニフェスト」は悪くない

際限なく膨張する政府債務は民主・自民の共通の敵

  • 竹中 正治

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2010年6月23日(水)

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 7月の参院選に向けた主要政党のマニフェストを見ながら、私はなんとも言いようのない複雑な感覚に襲われた。

 例えば6月18日の日本経済新聞に掲載された各党マニフェストの要約をご覧頂きたい。

二大政党の驚くべき政策収斂

 民主党は菅直人首相の下で長期的な財政再建路線に舵を切ろうとしている。財政再建のために消費税を含む抜本的な税制改革を超党派で論議し、早期に結論を出すという。主要国に対して高い法人税も国際競争力の維持・強化、対日投資促進のために実効税率ベースで引き下げを志向する。

 一方、自民党も財政健全化を志向し、低所得者層への配慮施策を伴いながら消費税を当面10%に引き上げ、税制抜本改革のために超党派の「円卓会議」を設置するという(さらに個人所得税の最高税率の見直しによる高所得層の税負担引き上げも盛り込まれている)。法人税も課税ベースの拡大を伴いながら20%台に引き下げるという。

 両党とも目玉に掲げている政策がほとんど同じだ。

 私自身は以前、本欄で財政赤字問題について次のように書いた。

 「鳩山首相よ、日本の未来を救うため、勇を鼓して『消費税4年間引上げ凍結』の公約を翻し、景気対策と同時に増税を含む財政再建に取りかかって欲しい。国民新党や社民党が消費税引き上げに反対するなら、さっさと切り捨てて自民党と大連立を組めばよい」(「もう鳩山首相をあきらめる?」、2009年12月28日

 従って、今回の両党の動きは私の賛同するところなのだが、こんなに早くそうした展開になったことに実はちょっと唖然としている。

 もちろん、選挙前だから自民党も民主党に対して「民主党のマニフェストは間違っていましたと言わなければ協議に応じない」と対決姿勢を演じている。しかし、これだけ主要政策が一致してしまえば、対決のしようがないだろう。

政権を狙うなら政策は似たり寄ったりにならざるを得ない

 政策のこの驚くべき収斂をどう考えたら良いのだろうか? 私は3つの要素が働いていると思う。

 1つは「ホテリングの定理」である。これについては日経ビジネスオンラインでは小峰隆夫教授が「実は「似たもの政策」、国民の利益はどこへ?」(2009年9月3日)で紹介している。

 これは米国の統計学者ハロルド・ホテリングの命題である。政党の場合、国民の多数の支持を獲得しようと政党が競う結果、両党の政策は限りなく接近したものになるということだ。日本に限らない現象である。できるだけ広範囲のお客を対象にしようとする結果、海岸の複数のアイスクリーム屋の立地場所が限りなく中央に接近してしまう例で説明されている。

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