• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

前政権が残した「負のエコ遺産」

CO2、25%削減は悪夢のデフレ促進政策になる

  • 村上 尚己

バックナンバー

2010年6月28日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 鳩山前政権がわずか8カ月で退陣に追い込まれた。普天間基地移設問題で迷走を続け、様々な政治的、外交的傷跡を残しただけで、鳩山由紀夫・前首相は、ほとんど何もできないまま政権を放り投げてしまった。

 ただ、普天間問題での失敗よりも、もっと深刻な失政があったと思う。

 それは、鳩山前首相が就任直後の2009年9月、国連演説で「CO2排出量を1990年比で25%削減する」と公約してしまったことである。今後、この国際公約によって、日本経済は極めて重い負担を余儀なくされる恐れがある。無責任極まりない発言だったと言わざるを得ない。

 中立的立場のシンクタンクとして定評がある日本経済研究センターは、CO2の25%削減計画を批判している。現状の実用化技術に照らせば、計画実現のためには太陽光発電を最優先で普及させるしかない。このことに対して、懸念を示す経済の専門家は非常に多い。

CO2削減は大きな国民負担を伴う

 それはなぜか? 太陽光発電はまだエネルギー効率が十分に高いとは言えず、その利用が進むほど、我々国民は重いコスト負担を強いられるからだ。しかも、太陽光発電装置は、技術面でもドイツを中心とした海外メーカーが先行しており、これらの企業に投資の恩恵がもたらされる可能性が大きい。

 言い換えれば、我々が生活するために必要なエネルギーを、海外企業から高い値段で購入し続けなければいけないということである。1世帯平均、毎月約1万9000円(2009年家計調査年報)もかかっている電力・ガス・ガソリン代などの燃料費がさらに上昇する。

 値上がり分が国内企業の収入になれば、給与の増加などを通じて国内経済を潤すことにもなろうが、そうではない。経済的恩恵は海外に「流出」する。恒常的な海外への所得流出(=交易条件悪化)に苦しむのである。

 1970年代の石油ショック時、原油価格が大きく上昇したことで日本など先進国は大きなダメージを受けた。構造的にはこれと同じことが起きる。具体的には、国内関連産業の空洞化をもたらし、雇用削減という深刻な状況に直面することになろう。

 1990年代半ばから続くデフレと低成長から抜け出せない日本経済に、もう1つ大きな足かせがはめられることになる。日本経済の停滞・閉塞感を一段と強める「究極のデフレ政策」と言える。

大きく報道されない「データねつ造事件」

 こうした危険な公約であることを、鳩山前首相は認識していなかったのだろうか。「環境」「エコロジー」という口当たりの良い“お題”に酔いしれ、国民生活を苦境に陥れる政策判断を下してしまった。経済政策に通じた政治家なら絶対に採用しなかったはずである。

 その証拠に、中国や米国などはCO2削減に必ずしも積極的でない。自国の国益を追求すれば当然のことだからだ。

 そもそも、地球温暖化とCO2排出量との因果関係は明確になっているとは言えない。まず、我々はこのことを認識する必要がある。「地球は温暖化が進んでいる」「温暖化を防ぐためにCO2削減が必要」という2点について、科学的に正しいという結論が出ていないことは「現実」である。

 鳩山前首相による「CO2の25%削減」表明後の2009年11月、世界を驚かせた大スキャンダルを紹介すれば十分だろう。

コメント48件コメント/レビュー

前政権が無責任だった点は同意しますが、はっきり言って筆者は不勉強だと思います。東京工業大学大学院の丸山茂重教授の方こそデータの不適切な孫引きなどが問題とされ、都合の良いデータの使い方をしている張本人であることは、気象学を研究する人たちから批判の対象になっています。クライメートゲート事件についても認識が誤っていると思いますよ。また太陽光はもともと日本が先頭をきって走っていたのに、国が補助金を止めたとたんにドイツに一気に抜かれて国益を損ねてしまったのは周知の事実。この記事は聞きかじりの情報で専門外の経済学者が誤った情報に基づいて大衆を煽る精度の低い記事と言わざるをえません。日経ビジネスでこのような雑な記事が掲載されるのはがっかりです。(2010/07/07)

「エコ亡国――「地球のため」で日本を潰すな」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

前政権が無責任だった点は同意しますが、はっきり言って筆者は不勉強だと思います。東京工業大学大学院の丸山茂重教授の方こそデータの不適切な孫引きなどが問題とされ、都合の良いデータの使い方をしている張本人であることは、気象学を研究する人たちから批判の対象になっています。クライメートゲート事件についても認識が誤っていると思いますよ。また太陽光はもともと日本が先頭をきって走っていたのに、国が補助金を止めたとたんにドイツに一気に抜かれて国益を損ねてしまったのは周知の事実。この記事は聞きかじりの情報で専門外の経済学者が誤った情報に基づいて大衆を煽る精度の低い記事と言わざるをえません。日経ビジネスでこのような雑な記事が掲載されるのはがっかりです。(2010/07/07)

米国や中国は産油国でもある。このことは念頭においておく必要があります。そして日本は産油国ではなく、新エネルギーは技術的高度であればあるほど有利である。(2010/07/04)

オバマ政権でのアメリカはなぜグリーン政策に積極的なのでしょうか?再生可能エネルギーの普及は地球温暖化対策以外の多くの意味があり、そこに政策的な意図・戦略があります。エネルギーの対外依存度を減らす、雇用の創出、技術開発で得たリードを持って輸出利益を得る。筆者は不勉強なようですが、日本は少なくとも技術では多くの再生可能エネルギー、省エネルギー技術でトップクラスです。このようなブレーキによってこれらの企業の足を引っ張り海外での競争力を失わせるのは国益と言えるのでしょうか?(2010/07/01)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長