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成長戦略なくして、年金・教育問題に解はない!

小手先でなく、「世代」の大枠を考える政党や政治家はいるか

  • タナカ(仮称)

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2010年6月30日(水)

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第1回 今度の参院選は、候補者本位で考えよう!
第2回 「国防戦略」なき国会議員でいいんですか?
第3回 こんな候補者を、国会に送りたい。その一案
第4回 「政治における正義」とは何を意味するのか

 市井からの選挙チェック! オルタナティブ政治経済研究所、タナカ(仮称)でございます。参議院選挙前の6週間、短期集中連載としてスタートした本コラムも、残すところ2回となりました。

 公示日から1週間が経ち、立候補者の選挙活動も活発になっています。立候補者が「何を言っていないのか」、ぜひチェックしてみてください。

 さて今回は、ワタシの関心事の1つである、そして日経ビジネスオンラインの読者である皆様にとっても気になっているであろう、年金と教育の問題について触れていきます。どちらも立候補者にしてみれば、目先の有権者に甘い囁きを口にする“誘惑”にかられそうな論点です。

 年金問題については、戦後続いた自民党政権が吹っ飛んだ一因とも言えますし、菅直人首相が以前に民主党代表を辞任する理由ともなりました。ことほどさように重大なので、各党ともマニフェスト(選挙公約)でこれを取り上げています。うまい解決策を提示できれば、支持を拡大できると考えているのでしょう。

 例えば「安心できる年金、医療、介護」(自由民主党)とか、「生活保障となる年金・医療・介護の充実」(公明党)とか。偉そうなことをおっしゃっていますが、今のような状態になったのは「あなた方が与党だったからでは」と思ってしまうのはワタシだけでしょうか?

 一方、教育問題については野党の「子ども手当」に対する批判が目立ちます。かといって、これという代替案があるのでしょうか・・・。そもそも教育の何が問題なのでしょうか?

 ワタシが考えるところ、年金と教育という2つは、構造的に「世代」という共通のテーマを内包しており、密接に関係している面もあります。そして、選挙は今の利害だけを論点にすべきではありません。将来の国づくりの礎を築く場でもあります。だからこそ今、世代という大枠を踏まえて、解決策を考えていかなければいけないと思っています。では、順に話を進めてまいりましょう。

年金制度の構造を人口構成で見ると・・・

 民主党は当然、前回マニフェストの工程表でも「年金制度の改革」をうたい、今回も主要な項目として「年金・医療・介護・障がい者福祉」を挙げています。ただ前回は「天下り禁止」「子ども手当」に次いで3番目だったのが、今回は5番目に順位が下がっていますけれど。

 社会保険庁の杜撰な運営が明らかになりました。この実態を暴いた民主党の功績は多大だと思います。しかしながらその勢いで、「税制の抜本改革の実施による年金制度の一元化や月額7万円の最低保障年金を実現」という、(たぶん)“守れない約束”をしているのではないかと感じるのです。

 というのも、年金問題は、それ自体を解決しようと思っても、解決できないからです。別の問題を解決する過程で、いつの間にか問題そのものが問題として認識されなくなっていく――。こんな類の問題だと理解しています。

 なぜワタシがこのように考えているのか。その理由は、年金制度の構造にあります。まず図1は、人口が安定している定常状態での世代別人口構成です。

 ここでは乳幼児死亡率がほぼゼロで、若いうちの事故死や病死もなく、死因は老衰だけという状態を示しています(いうまでもなく、思考実験のための模型に過ぎません)。

 労働年齢層は、自分の子どもを扶養しながら、引退年齢層への所得移転の形で年金を支払っています。引退年齢層は、過去の自分の労働を貯めて資産化したもので生活しているのではなく、若い層からの所得移転で年金を受け取っています。

 これがずっと続いているならば、労働年齢層にとって年金の負担は、引退年齢層との相対的な人口比と、引退年齢層が受け取る金額という2要素で決まります。

 引退年齢層は年金所得として、現役時代の5割をもらえるとしましょう。もし労働年齢層と引退年齢層の人口比が1対1なら、労働年齢層は、総所得の3分の2を自分の取り分とし、3分の1を年金支払いに充てている勘定です。自分の取り分の中から子どもの扶養や教育費も出しています。

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