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020|部屋と街、美しさは比例する
美しい東京を創ろう

2010年6月29日(火)

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 私が暮らしていたミュンヘンは、長い時間をかけて積み重ねられた文化の重みが感じられる大人の街でした。静かで整然とした街並みは何か潔さとエレガンスを感じさせ、そこでの暮らしは時を急ぎません。常に新しいものが生まれ、流行がめまぐるしく変わる東京とはまったく正反対に、ミュンヘンではゆっくりと時が流れていました。

 日本に帰国した際、リムジンバスから見た東京はコンクリート色の混沌とした街でした。いたるところにニョキニョキと生えた高層ビル。縦横無尽に交差する首都高速道路。巨大広告のネオン。大変刺激的なのですが、どう見ても美しいとは思えませんでした。

モノで溢れかえる日本の家

 「これが自分の生まれた国なのか」

 11年ぶりに再び始まる日本での生活、到着してほっとすると同時になんとも複雑な気持ちになりました。欧州旅行の後に、そのような感覚を持たれる方は多いのではないでしょうか。

 帰国後しばらくは住まい探しに明け暮れる毎日でしたが、そこでもショックなことがありました。ほとんどはまだ人が住んでいる状態での内覧だったのですが、これが日本の住まいの実態なのだと思おうとしても、正直それは『ありえない』状況でした。

 どのお宅も、モノモノモノで溢れかえり足の踏み場もありません。迎えてくれた方々は口を揃えて「散らかっていてお恥ずかしいのですが」と本当に恥ずかしそうで、どう返事をすれば良いやら言葉が見つかりませんでした。もうすぐ引っ越しなのにもかかわらず、片付けようにもどこから手をつけてよいやらわからないのでしょう。

 この人たちは、なぜこんなに沢山のモノを買ってしまったのか。なぜ欲しくて買ったはずのモノが床にころがっているのか。もちろん日本中の家がそのような状態だというわけではなく、偶然にもそういう物件に当たり続けたのだと思うのですが。

 モノで溢れかえった部屋は、無秩序に増殖した東京そのもののような気がしました。東京が限界であるように、そこに暮らす人の部屋も限界に来ているのではないかと思いました。

部屋の美しさはその国の文化レベルを示す

 街に住む人の部屋の美しさはその街の美しさと比例します。言い換えれば街に住む人の部屋の汚さはその街の汚さと比例するということです。世界各国でいろいろな家にお邪魔してきましたが、これはかなり当たっている理論だと思います。部屋はその国の文化的なレベルを示すものであり、美意識の度合いを表すものとも言えるのです。

 ここでいう美しい部屋とは、インテリアの趣味うんぬんを指すものではなく、何かを買うことで可能になるものではありません。そこに住む人にとって必要なもの、愛着のあるものがきちんと整理整頓されて置かれ、大切に使われていること。掃除がいきとどいていること。ただそれだけで「美しい部屋」はつくれるのです。

 そもそも「美しい」とはどういうことなのでしょうか。

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