• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第5回 “何をしたらいいのかワカラナイ”地獄から脱け出す

VCCサイクルを気持よく回す感覚

2010年6月30日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 最近私のまわりで「&(アンド)」という言葉が使われることが多くなった。私が本欄の第二回で「人生は“Or”を繰り返して可能性の幅を狭めるより、“And”を求めて拡げていったほうが楽しいよね」ということを主張したことがきっかけだ。私としては気合を入れて主張した考え方だったので、その本意を理解して「いい表現だね!」といってもらえるのは心から嬉しい。だが、予想外の反応もあって、上司に「柴沼、このプロジェクトもお前にやってもらいたい」といわれた時に「いや、もうさすがに私いっぱいいっぱいで・・」と困った顔をしようものなら、「何いってんだ、お前“アンド”なんだろ?欲張り人生なんだろ?」とニヤリとされたりする。これには、ちょっと参っている。さらに、まぁそうは言ってもオファーがくるのは嬉しいことだし、好きな仕事だからやってみよう、と気を取り直して、ちょっと夜のオフィスで打ち合わせをしていたりすると、今度は仲間たちに「あれ?柴沼さん、仕事は定時に片付けるんじゃなかったっけ?」とからかわれる。みんな結構コラムを読んでくれてるんだなぁ、と嬉しい反面、外に情報発信するって言うことは「有言実行」を求められるって言うことなんだなと、当たり前のことを改めて実感したりしている。

 さて、少し間があいてしまったが、前回は、個人の座標軸で生きるためのヒントとして、“3+1”について書いた。自分がどうありたいか、という「ビジョン(V)」をセットし、それを実現するための「ケイパビリティ(C)」を把握し、それを身に着けていくための「キャリア(C)」をつむ・・というサイクルをまわしていくことが、社会の評価軸ではなく個人の座標軸で人生を過ごしていく上でのポイントだ、という話だった。もちろん、このサイクルをまわし続けていくのはそうそう簡単なことではないので、途中でくじけることなくビジョン実現に向けて前進し続ける「パッション(P)」も必要だ。だがここで強調したかったのは、「ビジョン(V)」からスタートして、ケイパビリティ(C)をたどり、キャリア(C)にいきつく」という順番を意識することだ。目先のキャリアに振り回されてしまうと、結局組織や市場の論理に振り回されて自らの目標を見失い、結果として社会の評価軸に足を絡めとられてしまうからだ。

 幸いにして前回のコラムは特に読者の反応がよかったので、共感者が多かったのかなと勝手に思っているのだが、「共感は出来ても実際やるのはなかなか難しいよね」「何から手をつけていいのか分からないよね」と感じている方も少なくないと思う。実際、書いている私でも難しいし、これでいいのかな、と日々悩みながら生きているのが正直なところだ。そこで、これまで自分なりに実験してみて分かったことや、他人から聞いた話から、個人の座標軸設計をしていく上でのなんらかのヒントになるかも知れないお話を、しばらく徒然に紹介してみたいと思う。

詰め込むのではなく、からっぽにする

 私は一時期、証券業界に身をおいていたときがあるが、その時、松井証券社長の松井道夫さんが、「社長の仕事は、頭をからっぽにすることだ」とおっしゃっていたことを聞き、「目から鱗」だったことを鮮明に記憶している。松井証券は、その当時、固定だった手数料が自由化に向けて動き出すことをにらみつつ、「ネット証券」というビジネスモデルの礎を築いた会社として有名な会社だ。そんな背景を鑑みるに、松井社長の言葉は、「将来の事業を考えるためには、過去の事業を忘れる気合が必要だ」という経営哲学そのものだったのではないか、と私は解釈している。

 だが、私がこの発言に「目から鱗」の衝撃を受けたのは、「まさしく人生も同じだ」と強く感じたからだ。過去に積み上げてきたことを大事にし過ぎることで、本当にやりたいことを見失うことが自分にもある、と思ったのである。この時以来、事あるごとに私も「頭をからっぽにする」ということを心掛けるようになった。私のV-C-Cの「ビジョン(V)」は、ここから生まれる。

自分は何がしたいのか?

 私は、将来の転職を考えている20代の人達から相談をよく受ける。そして、「これまでの経験を活かした仕事につきたいのだが、どんな仕事があるのでしょうか」とか、「希望する仕事につくためにはどんな勉強をしていけばいいでしょうか?」とよく聞かれる。そんなときの私の答えはいつも決まっている。「結局、何がやりたいの?」。そして相手から返ってくる回答も、おおよそ決まっている。「実は何がやりたいのか分からないんです」

コメント0

「わたしたちの自立宣言 ~会社と個人の新しい関係をつくろう」のバックナンバー

一覧

「第5回 “何をしたらいいのかワカラナイ”地獄から脱け出す」の著者

柴沼 俊一

柴沼 俊一(しばぬま・しゅんいち)

日本銀行、マッキンゼー&カンパニー、ファンド投資先経営を経て、2009年1月からシグマクシスに入社。パートナー(役員)として、戦略コンサル、M&Aアドバイザリー、事業開発など、新サービスを開発・提供

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

環境の変化にきちんと対応して、本来提供すべき信頼されるサービスを持続できる環境を作り出さなければならない。

ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏