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政界再編「ドラマの始まり」

マニフェスト軽視のツケ、国民との信頼関係が崩れた

  • 谷口徹也

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2010年7月12日(月)

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 歴史的な政権交代から1年も経たずして、首相が交代。そして、突入した参院選。選挙戦そのものにはどのような意義や特徴があったのか。そして国民が下した審判にはどんなメッセージが込められているのか――。

 各党マニフェストの評価や専門家の討論などを通じた政策提言を目指しているNPO(非営利団体)である「言論NPO」の工藤泰志代表に、選挙戦を振り返ってもらった。

 「民主党は政策の転換に追い込まれたにも関わらず、過去のマニフェストの総括をしておらず、国民への説明も不十分なままだった」と断じる工藤代表は、この参院選をきっかけに、政党と候補者の関係に大きな変化が起こると予想する。

(聞き手は谷口徹也=日経ビジネスオンライン副編集長)

 ―― 今回の参院選が意味するところは何だったのか。振り返るとどんなことが言えると思いますか。 

工藤泰志(くどう・やすし)
1958年生まれ。横浜市立大学大学院経済学博士課程中退。『金融ビジネス』編集長、『論争 東洋経済』編集長などを歴任。2001年11月、特定非営利活動法人「言論NPO」を立ち上げ、代表に就任。

 工藤 日本の政治は、この国が直面する課題に強引に引き戻されたが、それを多くの政党は国民に堂々と説明できなかった。それが、今回の選挙のすべてだったと私は思っています。

 鳩山由紀夫・前首相の退陣で、菅直人政権が選挙直前のぎりぎりのタイミングで誕生しましたが、そのマニフェストで、「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」の3つをアジェンダに設定し直したのも、その3つこそがこの国が直面している課題だったからです。

 考えてみると、自民党の末期の福田康夫氏、麻生太郎氏の2つの政権も、その時のアジェンダは経済と財政、社会保障でした。この時も消費税の増税が社会保障のプログラムと同時に提案され、その発動時期は経済状況を見て判断する、というところまできていた。

 そう考えると、日本の政治はこの時から、政権交代を経ても課題解決という点では1歩も進んでいなかったことになります。

 菅首相は、選挙中に自民党の提案に相乗りする形で、消費税の増税に言及しましたが、党内で議論も行っておらず、それを国民に問い続けることもできなかった。ようやく、民主党の政治はこの9カ月あまりのバラ撒きの政治から、日本の課題に戻ろうとしたのに、そのプランを提起できる体制にはなっていない。

 だから、結果として、参議院で民主党の連立に過半数をこのまま渡していいのか、それが争点になるしかなかった。

国民に向かい合う「新しい政治」は実現できたのか

 今回の選挙ではどこに投票すればいいのか、困った人も多かったと思います。その責任の多くは、政権を担っている民主党にあったと私は思っています。

 ―― 民主党のマニフェストはどこに問題があったのですか。

 今回の参院選は、昨年の総選挙で誕生した民主党政権の中間評価の選挙でした。でも、昨年の選挙の民主党のマニフェストは主要施策が変更されたばかりか、全面的な見直しに追い込まれているのに、「それはなぜなのか」「そして今後はどうするのか」の説明が全くなかった。むしろ、国民にその説明をするよりも曖昧にしようとしたために、抽象的な従来型の公約に戻してしまった。

 菅さんは鳩山さん時代のマニフェストを変更し、国民にそれを堂々と説明、新しい約束を国民に提起するチャンスであったのに、それもなかった。

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