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【隠れた世界企業】未熟児の鼓動を守る

メトラン(埼玉県川口市、人工呼吸器の製造・販売)

2010年7月13日(火)

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増え続ける未熟児用の人工呼吸器を手がけるメトラン。創業社長は、ベトナム戦争で故郷を失った元留学生だ。苦難の果てに全国の新生児治療の現場で不可欠な商品を作り出した。

 厚生労働省の調べによると、全出生における2500g未満の新生児、いわゆる未熟児の比率は、1993年の6.3%から2008年は10.7%まで上昇している。救命医療技術が進歩したためであるが、未熟児の中には自力での呼吸が困難な子供もいる。

 そんな新生児向けに高頻度振動換気(HFO)タイプの人工呼吸器を手がけているのが、メトラン(埼玉県川口市)だ。通常の人工呼吸器は、呼吸と同じ頻度で空気を送り込むが、HFOタイプでは少量ずつ1分間に900回送り込む。負担を軽微に抑えられるので、同社の製品は未熟児や高齢者、重篤患者に用いられている。

先端技術でニッチ市場を押さえる戦略でメトランを成長させたトラン・ゴック・フック社長 (写真:海老名 進)

 メトランはHFOタイプの人工呼吸器開発に初めて成功した会社だ。国内の新生児集中治療室のうち、全体の9割の治療室に納品している。国内に限らず12カ国に製品を輸出しており、売上高の2割近くを海外で稼ぐ。

 呼吸困難などを引き起こす新型インフルエンザに備える医療機関からの注文が増えており、2010年4月期は前年同期比36%増の売上高13億300万円を計上した。最新の技術で参入障壁を作り、未熟児向けというニッチな市場で圧倒的なシェアを確保してきた戦略が、同社の成長に結びついている。

 創業者のトラン・ゴック・フック社長は、ベトナムのサイゴン(現ホーチミン)の裕福な家庭で生まれた。現在は日本国籍を取得して「新田一福」という日本名を持つ。フック社長が帰化し日本で創業したのは、1968年に来日したことと関係する。

ベトナム戦争終結で、帰国断念

 ベトナムの高校を卒業後、フック社長は日本の大学に留学し、化学を学んだ。卒業後は日本の化学メーカーで研究職に就き、その数年後にベトナムに帰国する考えだった。母国で洗剤メーカーを起業する計画を持っていた。

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「【隠れた世界企業】未熟児の鼓動を守る」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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