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民主党政権に問われる、安全保障への見識

前門の普天間、後門のサイバー戦争

  • 鍛冶 俊樹

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2010年7月14日(水)

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 普天間問題が要因の1つとなって、鳩山由紀夫・前政権が倒壊したのは記憶に新しい。その後、菅直人首相が沖縄に謝罪行脚をして収束したかに見えているが、実のところ普天間問題は何も解決していない。民主党は沖縄に候補者を立てることさえできず、沖縄県議会は参議院選挙直前に県内移設見直しを決議している。選挙では自民党現職が勝利したが、この島尻安伊子議員も県内移設見直しを掲げており、菅首相が公約した辺野古移設が実現する見通しはほとんどない。

 8月には移転先とされる辺野古の正確な位置と建設工法で日米合意をしなければならず、しかし地元である名護市は受け入れ反対であり、強制執行となれば反対派の漁船が辺野古の海を取り囲み大混乱となる結果は見えている。

 辺野古に移転できなければ米海兵隊は普天間に居座るだけだが、海兵隊司令部はグアム島に移転することが決まっており、この移転費用の一部は日本政府が出さなければならない。基本的には60億ドル程度(約6000億円)を出すことで合意しているのだが、6月に米国がこの増額を要求してきた。これが一体いくらになるのかは今後の日米交渉で決まる。一説には、2兆円以上に膨らむ可能性があるという。もとより財政再建に喘ぐ日本政府が応じられる額ではないが、にべもなくはねつければ日米安保に再び亀裂が走りかねない。米国も国防費の大幅削減を表明しており、単純に言えば双方、お金がないのである。

米国は「サイバー統合司令部」を設置

 さて、お金のない米軍であるが、5月21日に新たな統合軍司令部を立ち上げた。サイバー統合司令部である。これは陸海空軍のそれぞれのサイバー部門を統括する役割を担っているのだが、実は軍事史上、大きな意味を持っている。

 軍隊と言えば、昔は陸軍を意味していた。これに海軍が加わるのは大航海時代になってからだ。そして20世紀になって空軍が出現したが、21世紀に至り遂に第4の軍種が事実上出現したことになる。つまりサイバー軍である。

 サイバー戦争については1980年代から指摘されてきた。米国で「ウォーゲーム」という映画が封切られ、日本でも「トロン」という映画が評判になったから、ご記憶の方もいるだろう。どちらもコンピューター情報空間が現実の戦争に直結している情報化社会の現実を描いている。

 サイバー戦争が現実味を帯びてきたのはインターネットが開通した1990年代であるが、これが途方もない威力を持っていると認識されるようになったのは、個人レベルまでインターネットが普及した2000年以降である。

 海上自衛隊の作戦計画が隊員のファイル交換ソフトを通じて流出したのは2006年のことだ。この事件は日本では比較的騒がれなかったが、世界の軍事情報筋にとってはまさにビッグニュースだった。米国が最新鋭戦闘機F22を日本に売却しないと決めたのも「この事件の衝撃からだ」という見方をする軍事関係者もいるほどだ。

 F22はほとんどレーダーに映らないステルス機として有名だが、その高性能と謳われる最大の理由は実はステルス性ではなく、コンピューターネットワークとのリンクにある。例えば金正日総書記が乗っている自動車を偵察衛星が探知すればその情報が飛行中のF22に送信され、F22がただちに爆撃に向かうという寸法である。レーダーに映らないから国境を越えても北朝鮮は気づきようもないし、超音速で長時間飛行可能なF22の爆撃は一瞬で終わりしかも正確無比とされている。

 コンピューターネットワークが最大の強みなら、最大の弱点もまたコンピューターネットワークにある。日本にF22を供与すれば日本の防衛システムとリンクさせることになる。日本側から何者かが侵入し米軍のシステム全体を破壊すれば、あの巨大な米軍全体が“ただの鉄屑の塊”になってしまう。こう考えると、米国防総省が日本へのF22の売却をかたくなに拒んだのも頷ける話に思える。

 サイバー戦争の最大の特徴は戦争の担い手が、個人レベルにまで還元される点だ。従って戦争の主体が国家とは限らない。例えば、軍隊、テロリストグループ、あるいは個人ハッカーかもしれない。もちろん、これはサイバー戦争以前の情報戦争の特徴であり、スパイはまさに個人の技であり、マタハリやゾルゲなど歴史に個人名を刻んだ例も数多くある。

 スパイ事件といえば米国でロシア人スパイ10人が摘発され、中でも「美しすぎるスパイ」と評判になったアンナ・チャップマンがなどがいるが、実のところ、彼女たちがどんな活動をしていたのかは発表されないまま本国送還となった。インターネットを活用していたのは間違いないが、表面的な罪状はマネーロンダリングとなっている。2組は夫婦として活動しており、子供までいた。

コメント2件コメント/レビュー

今回の参議院選挙で沖縄から島尻自民党候補が当選したことで、筆者は基地問題を沖縄でも了としたと推定するならば大きな誤謬を含む。投票率が全国最低であった沖縄県の民意は、真に今選挙に顕れたのだろうか? この点を、総ての政党会派が指摘もせず、マスメデイァの報道もない。 自民の過去半世紀の日米軍事同盟の遺産と曖昧に翻弄する民主党の2大政党論がいかに将来性がないものであるかが明確にされたのが、今選挙の最大の視点とおもう 選挙に普天間の争点外しが沖縄県民の歯ぎしりではなにいだろうか? (2010/07/14)

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今回の参議院選挙で沖縄から島尻自民党候補が当選したことで、筆者は基地問題を沖縄でも了としたと推定するならば大きな誤謬を含む。投票率が全国最低であった沖縄県の民意は、真に今選挙に顕れたのだろうか? この点を、総ての政党会派が指摘もせず、マスメデイァの報道もない。 自民の過去半世紀の日米軍事同盟の遺産と曖昧に翻弄する民主党の2大政党論がいかに将来性がないものであるかが明確にされたのが、今選挙の最大の視点とおもう 選挙に普天間の争点外しが沖縄県民の歯ぎしりではなにいだろうか? (2010/07/14)

サイバー攻撃の実行国として一つ抜けているように思います。今年の「復光節」に行なわれた韓国からの「2ちゃんねる」へのF5攻撃は何故除外されているのでしょうか。中国や北朝鮮ばかりでなく韓国も含めて日本の周りは、サイバーテロを国家として行なっている国ばかりです。二言目には韓国・中国よりの発言をする民主党に、サイバーテロ国家を想像すらできないでしょう。多分サーバーテロ国家としてアメリカでも認定するのではないですか。(2010/07/14)

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