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みんなの党と公明党が解散を迫る

経済の低迷、日米関係の緊張が続く

  • 大野 和基

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2010年7月23日(金)

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――今回の参議院選挙の結果をどのように分析するか。有権者は自民党を支持したのか? それとも民主党に失望したのか?

リチャード・カッツ 自民党を支持したということでは絶対にない。今回の結果は民主党に幻滅したことの表われだ。日本の国民は、まず鳩山政権に幻滅した。菅首相が就任すると、国民は寛容な目をもって菅氏を迎えようとした。しかし、菅氏は、国民の期待を裏切った。まるで日本がギリシャの二の舞になるかのようなことを言って、消費税率の早期引き上げをほのめかした。だが、参院選の争点としてこのテーマを取り上げたのはまったくの間違いだった。菅氏のブレーンは、参院選の前に消費税問題を提起することが間違いだったとは信じないようだが。

国民は菅首相に失望、自民党は1人区で得をした

リチャード・カッツ
日本および日米関係をテーマにしたニューズレター、「The Oriental Economist」編集長。日米関係について30年の取材経験を持つ知日派ジャーナリスト。1973年にコロンビア大学で学士号、1996年にニューヨーク大学で経済学修士号を取得。ニューヨーク州立大学の客員教授なども歴任。主な著書に「腐りゆく日本というシステム」、「不死鳥の日本経済」など。

 菅氏の提案は、まるで、国民を脅して消費税率引き上げを支持させようとするものだった。だが、国民はその提案を支持しなかった。消費税率引き上げを支持する人でさえ、そのやり方が気にいらなかった。さらに菅氏は、支持率が下がると発言を撤回した。「早期の消費税率引き上げとは言っていない。私が言ったのは、早期の議論だった」と。菅氏は、double talk(人をけむに巻くような話をする)をする政治家のように見えた。

――菅氏は、消費税に関する考えをころっと変えた。

 そうだ。

 しかし、だからと言って、有権者の支持が自民党に戻ったわけではない。自民党は今回の参院選で、比例区において議席を減らしている(本誌注:2007年の参院選比例区で自民党は14議席を獲得。今回は12議席にとどまった)。このことは、有権者が、自民党の政権復帰を望んで自民党に投票したのではないことを示している。

 参院比例区における得票を見ると、自民党の成績は実際には低下してきている。自民党の得票率と獲得議席数は、2004年選挙では30%、15議席、2007年選挙では28%、14議席だった。

 換言すれば、改革を支持する有権者の多くは、みんなの党に投票しことになる。みんなの党は、自民党よりも民主党から、より多くの議席を奪った(本誌注:2007年参院選比例区において民主党は19議席を獲得した。今回は16議席)。

 いっぽう選挙区では、自民党の得票は民主党よりも少なかった。自民党の得票率が33%だったのに対して、民主党は39%を獲得している。では、自民党はいかにして民主党よりも多くの議席を獲得したのか。それは地方に29の1人区があったからだ。ここでは自民党が強かった。1人区における投票数は、選挙区選挙全体の投票数の30%であるにもかかわらず、議席数は40%が配分されている(本紙注:選挙区選挙全体の議席数は73議席。29議席は、73議席の40%に相当する)。だから自民党はかなり得をした。しかも地方の住民の多くは、消費税率引き上げに反対している。なぜなら、地方の農業従事者は所得の補足率が低いからだ。消費税は所得税に比べて、補足を逃れるのが難しい。また菅氏が提案する納税ID制度は、所得の補足をさらに厳しくする。

――自民党の中には、今回の選挙結果を、自民党への支持の回復と勘違いしている人がいる。

 谷垣禎一総裁のような保守派の人は勘違いしている。自民党の成績が芳しくなかったら、石原伸晃氏や塩崎恭久氏がリーダーとして登場し、自民党を改革したがるだろう。彼らは民主党の仙谷由人氏や枝野幸男氏と長年の関係を持っている。

 今回は結果がよかったので、谷垣氏が総裁をやり続けるだろうが、それは自民党にとって悪いことだ。なぜなら、谷垣氏の続投は「自民党が変わらない」ことを意味するからだ。国民は自民党に好意を持っていない。早晩、自民党は消滅するだろう。今回の選挙はその死期を遅らせた。

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