――今回の参院選挙の結果をどのように分析するか。「鳩山由紀夫前首相が犯した失策の影響が大きい。菅直人首相は悪くない」という人もいる。

カリフォルニア大学バークレー校準教授。プリンストン大学卒業。バークレー校で政治学博士号。専門は、先進工業国、特に日本の政治経済学。「ジャパン・タイムズ」の 記者、「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」「フィガロ」のフリー特派員を経験。
ヴォーゲル 菅首相にも、もちろん責任がある。選挙前に消費税問題を持ち出すことは典型的な失策である。菅氏は歴史から何の教訓も得ていない。日本史と世界史を見ると、選挙前に増税を強調することはよくない。
消費税率をいつかは引き上げなければならないことについては、ほとんどの有権者は賛成するだろう。だが、経済的な観点から見るとそのタイミングについては間違っている。今は最適な時ではないだろう。
政治的な角度から見ても、菅首相は絶対に間違っている。今は、この問題を提示するときではない。選挙が済むまで待つべきだった。しかも、もっとじわじわと、国民の理解を引き出す方法で提示すべきだった。菅氏はベテランの政治家であるにもかかわらず、政治判断において大きな間違いを犯した。
――もし鳩山前首相が辞任していなかったら、選挙結果は民主党にとってもっと悪くなっていたと思うか。
もっと悪くなっていた可能性があると思う。ただし、もし菅氏が消費税問題を持ち出さなかったら、はるかにいい結果になっていただろう。そういう意味で菅氏は、責任の一部を負わなければならないと思う。
消費税増税の議論は「過ぎたる」ものだった
――ここまで民主党が悪い結果になると予想していたか。
ほとんどの人と同じように、私もここまでひどいとは予想しなかった。過半数を獲得するとは思わなかったが、予想よりも悪かった。今の日本は無党派の人が非常に多いので、投票の向きが短期で大きく動く可能性がある。もし選挙が2週間早く行われていれば、民主党はもっといい結果を残せただろう。もちろん、菅氏が大きな失態をやらないということを仮定しての話だ。菅氏は「万歳!小沢と鳩山を追い出した!」と笑って言うべきだった。
――そう思う。タイミングは非常に重要だ。
鳩山氏と小沢氏が辞任するタイミング、つまり選挙の1カ月前というのはとてもよかったと思う。
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