国内自動車販売を下支えしてきたエコカー補助金の打ち切りが決まった。政府が模索し始めた“出口戦略”には、「官製景気」の息切れリスクも。エコポイントの恩恵を享受してきた家電、住宅業界は身構え始めた。
自動車編
エコカー補助金終了 販売3割減を覚悟

宴はついに終わる。
国内の自動車販売を下支えするため2009年4月から導入されていた「エコカー補助金(環境対応車への買い替え・購入補助)」が、9月末をもって終了することが決まった。これは一定の環境基準を満たしたエコカーに買い替える際に、最大25万円が支給される制度だ。グラフにあるように、リーマンショック後の急激な販売低迷に悩んでいた自動車業界の“救世主”となった。
当初1年間の予定だったエコカー補助金は、追加経済対策の1つとして今年9月末まで延長された。その期限が迫る中、再延長を求める声が出ていたが、結局、政府は打ち切りを決定した。
1年半に及ぶ政府の援護射撃が終わることについて、業界は表向き冷静だ。「(補助金は)非常に大きな効果があった。半年延長してもらったので、これ以上多くを望むことはできない」と、マツダの尾崎清・専務執行役員は語る。
ただ、待ち受ける現実は厳しい。今年10月以降、自動車の国内販売の急減は避けられない情勢だ。「10〜12月は、かなり影響があるだろう。(前年同期比の受注は)3割くらいダウンすると考えている」。ホンダの近藤広一副社長はこんな見通しを口にする。
販売の現場でも不安が広がっている。「販売が3割以上落ちれば販社は赤字になる。その赤字幅をどうやって小さくするか」。トヨタ自動車系の有力販売会社の首脳は顔を曇らせる。
実際、2009年秋に自動車向け販売支援を打ち切ったドイツでは、反動減による販売の落ち込みが続く。「ドイツでは2〜3割減となっている。国内でも同じことが起きるかもしれない。大きなインパクトがあるという前提で、(下期の販売計画を)組んでいる」(日産自動車の田川丈二・執行役員)。
“厳冬”に備え、補助金がある間にできるだけ多くのクルマを売ろう──。そう考える販売店は、夏季休暇を返上して営業する。
“自腹補助金”準備のトヨタ
「今年はお盆も休まず営業します」。ハイブリッド車の「プリウス」を中心に販売が好調なトヨタ系販社の中には、休業日を減らす動きがある。ネッツトヨタ東京は約50店舗で、お盆も営業する。プリウスは補助金終了期限までの納車が間に合わない可能性があるものの、ほかの補助金対象車種で販売を伸ばせると考えているからだ。
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