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結局何したいの? NTT改革迷走

  • 吉野 次郎,原 隆

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2010年8月16日(月)

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原口総務相の指示で始まったNTTの経営改革論議が迷走している。総務相は「完全民営化」など大胆な発言を繰り返すが、どこまで本気なのか。株式市場では実現の可能性はほとんどないと見られている。

 NTTグループの経営改革を巡る原口一博総務相の発言が、株式市場で信頼感を失っている。

 原口総務相は、2015年頃をメドにブロードバンド(高速大容量)回線を全世帯に普及させる「光の道」構想を自らの通信政策の金看板に掲げている。ブロードバンド回線には携帯通信網やケーブルテレビ網など様々なインフラがあるが、その中でも総務相が最も重視しているのが、NTT東日本とNTT西日本の光ファイバー網だと言われる。NTT東西は既に、各家庭の近くまで光ファイバー網を整備している。利用できる世帯は、全体の9割に上る。ところが利用率は3割にとどまることから、原口総務相は満足しない。

 7月24日に横浜市で開かれた討論会で総務相は、光の道構想の実現にNTTが協力することを条件に、「(NTT法で規制している経営を)自由にしていい」と述べた。さらに3日後の7月27日に開かれた閣議後の会見で、「完全民営化は大事だ。議論を加速させたい」との方針を改めて明確に打ち出した。

 政府が電電公社をNTTとして民営化したのは1985年だ。民営化後も政府はNTT法で同社を規制し、国策会社として経営に関与し続けた。NTTが現在の形に再編成された99年以降も、NTT持ち株会社とNTT東西を特殊会社と位置づけ、NTT法で規制している。原口総務相は、その特殊会社を純粋な民間企業として市場に解き放とうというのだ。

NTT完全民営化論は総スカン

 ところが株式市場で、総務相にその実行力があると考える関係者はほとんどいない。ある証券アナリストは「原口氏の言っていることは、もはやノイズ(雑音)程度として受け流している」と手厳しい。

 身内であるはずの総務省内部からも困惑の声が漏れる。同省幹部は、「そもそも光ファイバーの普及を、完全民営化の取引条件としてNTT側に示すこと自体、論理的に間違っている」と言う。

 完全民営化するということは、NTT法の廃止を意味する。NTT法には大きく2つの目的がある。持ち株会社の全額出資子会社であるNTT東日本とNTT西日本に、電話をあまねく全国に提供する「ユニバーサルサービス」を義務づけることと、持ち株会社に通信関連の基礎研究を義務づけることだ。この2つの義務をNTTグループに課さずともよい環境が整ったと判断できた時に初めて、NTT法の廃止が議論の俎上に載る。

 光ファイバーを今以上に普及させることをNTTが約束すれば、NTT法を廃止してもよいという理屈は、そうした本来の規制の目的から外れている。

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