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ヤマハ発がスポーツを続ける理由

「普通の会社になりたくない」経営不振でも歯を食いしばる

2010年8月20日(金)

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 2輪車世界2位、船外機は世界最大手のヤマハ発動機はかつてない経営危機に陥った。2009年12月期には2161億円の最終赤字を計上。国内では12工場を7工場に集約し、800人規模の希望退職を募るなど、大規模なリストラに踏み切る。2輪車と船外機の部品の共通化といった従来の事業の枠組みを越えた取り組みにも着手する。

 ところが同社はラグビーやサッカー、モータースポーツからは撤退しなかった。独自の企業文化を守るために、企業スポーツが欠かせないと判断したためだ。

 「はい、ヤマハ発動機・五郎丸です」

 ヤマハ発動機のとある部署に電話をかけると、低く太い声が返ってくる。五郎丸 歩――。3年前までフルバックとして、常勝軍団・早稲田大学ラグビー部を牽引した、学生ラグビー界のスーパースターだった人物である。ちょっとしたラグビー好きなら、まず知らない人はいないだろう。

「すべての選手を社員とします」

 2008年春に早大を卒業した五郎丸さんは、トップリーグの実業団クラブ「ヤマハ発動機ジュビロ」に入団した。もちろん、当初はプロ契約。得意のキックなどを生かし、現在は24歳の若さでチームの副主将を務める。ところが今年4月、事態は一変する。「すべての選手を社員とします」。業績不振によるコスト削減のため、会社側が正式に通達したのだ。

五郎丸さんらラグビー選手は勤務後に練習に打ち込む(写真:廣瀬貴礼)

 「正直、大変は大変ですけどね」。こう話す五郎丸さんたち選手は、朝8時から午後3時まで社員として会社で働き、その後にラグビーの練習に繰り出す。ここ2~3年、トップリーグでの成績は決して芳しくないジュビロ。秋に開幕する今シーズンは、こうした“お家事情”から、今までとは違った厳しさに立ち向かわなくてはいけない。

 それにしても、ヤマハ発はなぜこうまでしてラグビーチームを存続させたのか。

 2008年秋のリーマンショック以降、自動車業界だけを見ても、業績悪化を受けてホンダとトヨタ自動車がF1から撤退。日産自動車も名門の社会人野球チームの活動を休止した。企業規模から考えたヤマハ発の経営不振の度合いは、こうした大手メーカーの比ではない。それでも同社はいまだにラグビーチームのほか、サッカーJリーグの「ジュビロ」、2輪車ロードレースの世界最高峰「モトGP」と、いずれも多額の費用がかかる企業スポーツを継続している。

共通の軸を設ける必要がある

 1つの理由は社員のモチベーション。ヤマハ発は経営の立て直しのため、大規模なリストラを伴う構造改革を進めている。「社員の意識はシュリンクしがちになるが、それは仕方ない。だからこそ共通の軸を設ける必要がある」と柳弘之社長は話す。

 月曜日の朝ともなると、ヤマハ発の社員の間では結果が良かろうが悪かろうが、ラグビーやサッカーの話で持ちきりになる。いわば社員の共通言語のようなものだ。トップによる経営方針とは全く別なアプローチで、企業スポーツで社員の目線も1つに定まる。経営危機を乗り越えなければならない今だからこそ、むしろその重要性も高まっている。

 もう1点は顧客とのつながり、つまりブランド戦略上の必要不可欠なツールとしての機能だ。その一端を、インドネシアで体感した。

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