今年で4回目を迎える「東京トップキッズコレクション」。子供服メーカー主催の“夢の舞台”目指して親子が血眼になる。販売の閑散期をファッションショーで乗り切る作戦だ。
客席に長く突き出たキャットウオーク。スポットライトの中を颯爽と歩くのは、全国の1200人から選ばれた175人の子供たちだ。8月7日に東京ミッドタウンで開催された「東京トップキッズコレクション」での1コマである。

このファッションショーは子供服メーカーのリトルアンデルセン(東京都渋谷区)が主催している。2007年から毎年8月に東京で開かれている。ファッションに興味がある小学生やその親にとっては憧れの舞台となっており、2500円の入場券(S席は3000円)は即日完売するほどの人気だ。
今、子供服業界は未曾有の苦境に喘いでいる。原因は少子化だけではない。格安のファストファッションがアパレル業界を席巻する中で、子供服も商品単価の下落が止まらない。「メゾピアノ」や「エンジェルブルー」などのブランドを擁する最大手のナルミヤ・インターナショナルでさえも、2期連続で営業赤字に陥っている。
リトルアンデルセンが展開する子供服ブランドは「ヒステリックミニ」など5つ。全国の主要都市で地域一番のデパートにしか出店しない方針の同社も、百貨店不況のあおりを受けて売り上げをジリジリと減らしてきた。
もともと同社の各ブランドは高いファッション性で顧客から強い支持を集めてきた。主要な顧客は、子供の体が大きくなってワンシーズンしか着られなくても子供用のTシャツに、5000円以上も支出できるような、裕福でおしゃれにこだわる親子だ。しかし、こうした顧客の数は限られている。
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