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先頭を走れ!「工学部2号館」

【建物編1】省エネビルの第一歩。機器・設備、全部ネット接続

2010年8月27日(金)

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 「グリーンIT」という言葉をよく耳にするようになった。グリーンITには、「IT自身の省エネ」と「ITを利用した省エネ」の2つがある。

 そして、さらに後者に関して、今後、期待されている分野が2つある。ビルのエネルギー管理システム「BEMS(Building and Energy Management System)」と、家屋のエネルギー管理システム「HEMS(Home Energy Management system」である。

 今回は、産学挙げて、BEMSに取り組んでいる「東大グリーンICTプロジェクト」を紹介する。

 「この2年間で大きな成果をあげることができた。今後は、国際標準化と中国での実証実験の成功を足がかりに、世界市場に打って出る」――。

東京大学大学院情報理工学系研究科の江崎浩教授

 「東大グリーンICTプロジェクト」のリーダー、東京大学大学院情報理工学系研究科の江崎浩教授の鼻息は荒い。

 東大グリーンICTプロジェクトとは、東京大学本郷キャンパス内にある“工学部2号館”のITを使った省エネプロジェクトで、今や工学部2号館は企業や関連団体にとって、「グリーンIT」ビジネスを展開するための大実験施設となっている。

参加組織は36企業、17団体の計50組織

 グリーンITには大きく、「IT自身の省エネ」と「ITを利用した省エネ」の2つがあるが、同プロジェクトが取り組んでいるのは、後者の方だ。

 江崎教授の専門分野であるITを駆使することで、工学部2号館のCO2排出量を、2012年に15%、2030年に50%削減することを目指している。

 発足は2008年6月で、当初は「グリーン東大工学部プロジェクト」という名前だった。しかし、2010年6月、2年間の成果が評価され、工学部から全学を挙げたコンソーシアムへと昇格。それに伴い、プロジェクト名を東大グリーンICTプロジェクトに変え、再スタートを切った。

 同プロジェクトは、産学連携のコンソーシアムで進められており、現在、参加している組織は36企業、17団体の計50組織(予定も含む)にも及ぶ。

 その顔ぶれは電力会社からゼネコン、IT関連会社、機器メーカー、総合商社、NPO(非営利組織)組織までと広い。企業や団体といった枠を超え、複数のワーキンググループを作り、互いの知識や技術を持ち寄ることで、今後、規模の拡大が予想されるグリーンIT市場において、新たなビジネスや産業の創成と、世界規模のビジネス展開を目指しているのである。この2年間でワーキンググループによって実施された実証実験数は実に30に及ぶ。

 江崎教授は胸を張る。「実際、ITによる建物の省エネ化と言っても、ほとんどのビルは1社が取り仕切っている。これだけ多くの企業の機器が複雑なシステムの下できちんと動いている建物は、国内外を含めてほかにほとんど例を見ない」

 そういった活動が評価され、2008年10月には、日本産業デザイン振興会の「グッドデザイン賞」を、2009年10月にはグリーンIT推進協議会の「グリーンITアワード2009 審査員特別賞」と日経BP社の「グリーンIT ユーザアワード プロジェクト賞」を受賞。各方面からも高い評価を得ている。

東京都の温室効果ガス総排出量の第1位

 そもそも、江崎教授が同プロジェクトを始めたきっかけは、2007年12月までさかのぼる。ある寒い夜、本郷キャンパスから根津駅に向かう道の途中で、当時、工学部長だった松本洋一郎副学長が言ったさりげない一言だった。

 「工学部2号館の省エネを実現できないか?」

東京大学工学部2号館

 工学部2号館は2005年10月竣工の地上12階、地下1階の総合研究教育棟で、当時の松本工学部長と江崎教授の本拠地だ。本郷キャンパス内では新しい建物の部類に属す。

 実は、東京大学本郷キャンパスは、東京都にCO2を排出するような大きな工場がないといったこともあり、東京都の温室効果ガス総排出量上位10事業所の第1位にランキングしている。中でも工学部2号館は2番目にCO2排出が多い建物だ。そのため、松本工学部長(当時)にとって工学部2号館の省エネは急務となっていたのである。

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「先頭を走れ!「工学部2号館」」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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