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受付嬢、やりたかったのですか?

キャリアの「芽探し」ではなく「芽伸ばし」の転職を

2010年8月27日(金)

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 転職を繰り返し、適職がわからなくなりました。もういい歳なのに(30代女性)

 遙から

 一般的職業とは異なるが、転職を考える場合、本当に難しいと痛感し、それでよかったのかという思いを時折感じてしまうのが、タカラジェンヌと呼ばれる芸事の達人たちの転職だ。

 芸能界とは実は“芸能”といいながら歌や踊りの芸の仕事は限られている。人気商売だから、芸の鍛錬を積まなくても素材勝負で成立するし、トークなどのセンスがあれば大人からでも参入できる。

 幼少期から人生の圧倒的時間を芸を磨いた超キャリアから、昨日まで素人だった人までがプロの枠に入るという振れ幅の広い職域だ。

 素人だった人は、この仕事がだめならまた素人に戻ればいい。結婚退職もあるし、一般職にも転職可能だ。「昔ちょっと芸人を志したことがありまして」という達者な営業マンに出会うことは時々ある。だが、芸事の超キャリア組の芸能界以外の転職には、私はある種の“惜しさ”が拭いきれないでいる。

 芸事は、あるボーダーラインをはさんで、金を払う人と、金を取れる人に分かれる。金を取れるレベルになるには相当の努力と継続がいる。そこに付随する芸以外の能力も無視できない。高い協調性、責任感、忍耐力などは、一般社会でも通用する評価だ。ところが彼女たちの転職はそれら能力が相応に評価されたものだろうかと疑問が残ることがある。

「転職しました。今は、受付嬢です」
「…それがしたかったんですか?」
「いろいろ勉強になります」

 本意は分からないが、異業種への幻想が選ばせる転職というのもある。私も芸能界で仕事がない頃、事務職への好奇心から事務のバイトをやってみたことがあった。“企業”という場所へ通ってみたかったのだ。そこで一日中パソコンに向かい、データに数字を打ちこむ仕事だった。

 私は驚愕した。

「退屈だ…」

 2週間続かず辞めた。

 事務職とはそれが性に合わない人間にとってはこれほど過酷なものかと、私は芸能界的職業への腹をくくれた。

 逆に、長年企業で働いてきた女友達が結婚退職直前に言った言葉が忘れられない。

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「受付嬢、やりたかったのですか?」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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