停滞が続いていた新築マンション販売の一部に活気が戻っている。牽引役は、低金利と政府の減税策に背中を押された「団塊ジュニア」。この最後の「マス世代」需要が一巡すれば新築需要はいよいよ完熟期に入る。
「順にご案内しておりますので、30分ほどお待ちください」
8月下旬の週末に訪れた、東京・新宿の大手マンションデベロッパーのモデルルーム。引きも切らずに訪れるお客と、慌ただしく対応する営業担当者。その様子は、さながら家電量販店の売り場を彷彿させる。多くのモデルルームで閑古鳥が鳴いていた1年前の光景がウソのような盛況ぶりだ。
春先以降、「即日完売」が続出
地下鉄の駅から徒歩10分の好立地。病院や商業施設も近い。70m2の3LDKで7000万円台と、決して安くはない物件だが、モデルルームオープン当初から予約が殺到した。週末ともなれば、モデルルームの収容能力をはるかに超えたお客が訪れる。担当者の説明を聞くために30分以上も待たされるというから驚きだ。
もちろん、活況はここだけではない。東京都豊島区に竣工する野村不動産の「プラウドシティ池袋本町」。今では市況回復の象徴として、業界関係者の間では頻繁に話題に上る。JR板橋駅に隣接する大規模マンションは、大半が既に売り出され、即日完売した。
伊藤忠都市開発などが手がけた東京都墨田区の「オアシティ錦糸町」。東京スカイツリーを望む立地を売りに、今年3月に発売。やはり即日完売した。

「瞬間蒸発」の新築マンションは春先以降、急激に増えている。上のグラフにあるように、不動産経済研究所によれば、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション供給戸数は、2010年2月に3カ月ぶりに前年同月比プラスとなった。その後も供給戸数は増加基調にある。
需要の牽引役は30〜40代。その中でも、「世帯年収が1000万円前後の比較的所得の高い層が中心」と不動産情報サービスを提供する東京カンテイの中山登志朗氏は言う。
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