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インドに“太平洋ベルト地帯”ができる日

日本企業の環境技術に期待がかかる巨大プロジェクトが始動

  • 日経BPクリーンテック研究所

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2010年9月13日(月)

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 インドの首都ニューデリーとインド最大の商業都市ムンバイの間に貨物専用鉄道・道路を敷設し、これに沿って工業団地や発電所などのインフラを整備する――。産業集積を進める巨大プロジェクトが今年に入っていよいよ動き始めた。

 この壮大な構想は、日本サイドが「太平洋ベルト地帯」にヒントを得て、提案したことがきっかけとなった日印共同のプロジェクトである。そして、日本企業にとっても大きなチャンスとなるものだ。

 しかし、昨年末に完成したマスタープランを作成したのは、欧米・シンガポール企業であった。日本企業は、再度構想段階から得意の環境技術を入れ込んだ「スマートコミュニティ計画」をインド側に提案して、巻き返しを図る。

日本側から提案された集中投資計画

 この巨大プロジェクトの正式名は、「デリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC:Delhi-Mumbai Industrial Corridor)」。

 インド全土でバラバラにインフラ投資を進めるのではなく、日本が戦後、南関東から北部九州までを結ぶベルト地帯「太平洋ベルト」に工業地帯を形成したように、インドでもデリーとムンバイの間に集中投資して工業地帯を開発しようという構想である。2006年に日本側から提案された。

 インド側は、経済発展とともに、都市化に伴う公害・環境問題を解決してきた日本のノウハウに期待して、2006年12月に日印首脳間で合意に至り、プロジェクトが正式スタートした。

 概要は、デリーとムンバイの2都市間約1500kmに貨物専用鉄道(DFC:Dedicated Freight Corridor)を敷設し、その左右150kmの周辺に、工業団地、物流基地、発電所、道路、港湾、住居、商業施設などのインフラを民会投資主体で整備しようというものだ。計画では、総投資額が今後9年間に900億ドル(7兆9200億円)にのぼる巨大プロジェクトである。

プロジェクト開発ファンド132億円

 DMICの「背骨」に当たる貨物専用鉄道については、2017年の完成目指して、電気機関車で2段積み貨物コンテナを輸送する事業が具体的に建設に向けて動き出している。

 第1フェーズ(レワリとヴァドダラ間950km)と第2フェーズ(ダドリ~レワリ間とヴァドダラ~ムンバイ間合計552km)に分けて建設が進められる。専用貨物鉄道の建設資金については、日印両首脳間でタイド円借款(資材の調達先を日本企業に限定する円借款)によって、日本が援助するスキームで合意されており、第1フェーズについては約4500億円の円借款供与となる見込みだ。

 DMICの本体に当たる工業地帯の開発については、2006年に日印首脳間で基本合意した。その後に、何回かの協議を経て、2008年にDMICの運営を担当するデリー・ムンバイ間産業大動脈開発会社(DMICDC:DMIC Development Corporation)が設立され、同社のCEO & Managing Directorに就任したAmitab Kant氏を中心に、具体化に向けて動き出している。

 資金調達については、プロジェクト開発ファンド(PDF)が、2008年に日印共同の合意に基づいて、DMICDC内に設けられた。同ファンドの規模は1.5億米ドル(132億円)で、このうちインド政府が7500万米ドル(66億円)、日本の国際協力銀行(JBIC)が7500万ドル(66億円)を融資する。この融資は主に、開発計画の作成やフィジビリティスタディ(FS)管理の費用として活用される。

マスタープランが完成、しかし作ったのは欧米勢

 2009年12月には、DMIC全体のマスタープランが策定された。重点的に開発すべき地域として24カ所が選定され、それらを結びつける道路、鉄道、港湾、物流拠点などの青写真が示されたのである。また、DMICは、デリー、ハリヤナ、ウッタル・プラディッシュ、ラジャスタン、グジャラート、マディア・プラデシュ、マハラシュトラの各州にまたがる計画であり、全体のマスタープランとは別に各州ごとのマスタープランも策定された。

 マスタープランでは、24の重点地域の内、13カ所を製造業の拠点とする工業地域(100km2以上)、11カ所を各種インフラや研究教育機関含めた総合拠点とする投資地域(200km2以上)とした。また、2008~12年をフェーズ1として、24の重点地域の内、工業地域6カ所、投資地域6カ所を選定して、先行的に開発を進めることを決めた。

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