スマートシティの本質とは何か――。
日経ビジネスでは2010年9月6日号で「スマートシティ〜40兆ドルの都市創造産業」という特集を組み、環境を配慮したスマートシティの建設が進む意義についてリポートした。
環境都市というと、風力発電や太陽光発電、次世代電力網のスマートグリッドや電気自動車といった技術や製品に関心が集まりがち。しかし、これらは新しい都市を構成する要素に過ぎない。
スマートシティとは、都市創造産業の誕生。この産業のキーワードはグローバル。これからの都市の開発は国境の枠を越え、最新の知見や技術、ノウハウを持ったプレーヤーが連携して進んでいく。
では、グローバルチームの一員として企業が活躍していくには何が必要か。その参考になる事例を、本誌特集ではリポートしている。このコラムでも、関連事例などをリポートする。
街中を覆う鬱陶しい湿気を抜けて、ようやく海辺のランドマーク・マーライオン像広場にたどり着いた。マーライオンの視線の先にこちらも目を向けると、新たに造成されたであろう埋立地に、次々と建設機械や資材が搬入されていく。建設ラッシュに沸くシンガポールはバブルの様相すら呈す。
政府機関である経済戦略委員会が今年2月に発表したシンガポールの新成長戦略。環境戦略もその骨子の1つになった。2030年までに、すべての建物の80%を厳しい環境基準を満たした「グリーンビルディング」に。旅行客の7割は公共交通機関を利用。産業廃棄物の70%をリサイクルなど、いずれも意欲的な目標が並ぶ。
こうした目標に向け、東京23区と同規模の小さな国土が今、その姿を変えようとしている。西部ではスマートグリッド(次世代電力網)の実証実験や、環境産業の集積地である「クリーンテックパーク」。北東部では環境配慮型の住宅施設が連なる「エコタウン」の建設がこれから本格化する。
厳しい規制が企業を鍛える
スマートシティ化が進むシンガポール。確かにその先進性やスピード感は、ほかのスマートシティプロジェクトと比べて勝るとも劣らない。ただし、それだけではこの国の本質を見誤ってしまう。
「どこに行ってもシンガポールばかりだ」。
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