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「正しい英語」と「使える英語」は何が違う?

英語が公用語になっている組織で働いた実感

  • 河合 江理子

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2010年9月14日(火)

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 前回は、欧州で英語が公用語化してきている現状について触れた。そんな変化の中で働いてきた私がどんな事態に直面したかについて、今回はお話したいと思う。

 スイスにある国際機関のBIS(国際決済銀行)で働いていた時、私の母校であるフランスのINSEAD(インシアード、シンガポールにもキャンパスを持つ国際経営大学院)が設けているエグゼクティブコースで再び勉強する機会をいただいた。MBA(経営学修士)を取得してから幾年も過ぎており、リフレッシュしてこいということだったのだろう。

 その授業の最初に担当のフランス人教授が「このクラスでは正しくなくても通じるビジネス英語を使う」と前置きをしてから、授業を始めたのにはいささか驚いた。彼は米スタンフォード大学の博士号を持ち、フランス訛りだがとてもユーモアにあふれた分かりやすい英語を話す。「ビジネスの社会において、正しい英語を話すことは最も重要なことではない。何をどういうふうに話すかのほうがもっと大切だ」と語っていた。完全に正しい英語でなくても、理論が正しく、分かりやすく、内容があれば、人は聞く耳を持つ。

完璧主義では、英語は使えない

 英語が世界のビジネスの共通言語となっている理由の一つとして、分かりやすくストレートに表現できる便利な言語という側面がありそうだ。例えば、日本語にあるような敬語は存在しない。フランス語やドイツ語でさえも、「あなた(You)」と声を掛ける際に、尊敬や年上の人に使う場合と親しい人に使う言葉は異なる。

 英語はドイツ語やフランス語にある複雑な動詞の活用もないため、一見、簡単に思える。ところが、複数のヨーロッパ言語を勉強した人に言わせると、英語の文法などは法則に当てはまらないことが多く、その都度、暗記しなければならないのだという。発音なども、異なる語源により違う発音をするので、これもやはり暗記せざるを得ない。最初は簡単かもしれないが、使いこなすレベルが高くなっていくと難しくなる言語なのだそうである。

 この話を聞いて、私自身も思い当たる節がある。冠詞(「the」「a」)の使用法である。英語の綴りを間違えることはほとんどないが、冠詞だけは長い間苦しめられている。今でも、必要なところにつけなかったり、必要でないところにつけてしまったり・・・。文法書などを見ると何ページにもわたって使い方のルールが書かれているが、とても曖昧である。

 実は英語は例外の用法が多いのである。従って、暗記する以外に完全にマスターすることは難しい。英語を話す時には、日本人は完璧主義を忘れるべきだと私は考えている。

 25年近く欧州企業で働き、英語を使っているという私のキャリアから、最初からバリバリ英語を使いこなせていたのだろうと思う読者もいらっしゃるかもしれない。とんでもない。私の上達は遅いほうかもしれない。

 日本の公立高校を卒業して、そのままアメリカの米ハーバード大学で4年間勉強したのだが、学部を卒業する頃になっても英語を話す時は緊張した。本を読むのに忙しくて、あまり会話などしなかったせいかもしれない。大学時代の友人は私のことをとても無口な人だと思っていたようだ。

 結局、英語を普通に話せるようになったのは、大学を卒業して何年も経ってから、ビジネススクールを卒業する頃だった。そうであっても、仕事において本当に重要な文章を英語でまとめる場合は、英語を母国語とするネイティブの人に文章を校正してもらっている状態だ。

「クイーンズ・イングリッシュ」は時代遅れ?

 発音についても、私は日本で中学生から英語を勉強したせいか、オランダのインターナショナルスクールに行っている甥に「日本人の英語だ」と言われている。語学学習には先天的な「耳」の良さが、上達のスピードにかなり関係してくる。「耳」の悪い人は、アクセントを真似できずに発音で苦労し、聞き取りでも不利になるのだ。これは頭の良し悪しとは関係ない。「早期英語教育」を推奨する理由の1つとして、その是非はともかく、耳の感度のいい幼い頃から勉強するといい発音で話せるということが挙げられている。

 もっとも発音が少々悪くても、気にする必要はほとんどないと言っていい。内容のある話であれば、みんな、きちんと耳を傾けてくれる。私はビジネススクールで「ブルーオーシャン戦略」を説いて世界的に知られているW・チャン・キム教授の英語の講義を聴いたことがある。確かにかなり韓国訛りが強い英語だった。そのうえ、機関銃のような凄いスピードで話す。

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