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TOEICの試験では、本当の英語力は分からない

コミュニケーションの道具としての英語習得法

  • 河合 江理子

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2010年9月21日(火)

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 日本の企業では社員に求める英語力の目安として、「TOEIC」(国際コミュニケーション英語能力テスト、990点満点)で、管理職であれば750点以上、少なくても700点以上は必要とされているようだ。

 この話を聞いて私は、「そもそもTOEICの成績を英語の総合的能力の正しい判断基準と考えていいのだろうか」という疑問がわきあがった。というのも、TOEICは「話す」「書く」というような能動的な能力の判断ではなく、あくまでも英語の知識を判定する試験ではないかと思っているからだ。

 その理由は、TOEICが回答を選択する方式になっているという点にある。実際に自分で一から文章を書くのと、既に用意されている答えから正解を選ぶのでは、プロセスが全く違う。書く能力の試験といっても、作文をする能力というより、英語で書くための知識を試しているに過ぎない。

テストはできても、会話は苦痛

 私は日本の公立高校出身で、普通に日本の大学の受験を考えていたが、偶然グルー基金という日本の高校生を対象にした奨学生の試験の存在を知り、高校3年生の時に受験し運よく合格した。グルー基金奨学生として米ハーバード大学に留学し、それが初めての渡米だった。この時、自分の英語があまりにも通じないので驚いた。高校ではきちんと英語を勉強しており、英語検定であるTOEFL(Test Of English as a Foreign Language=第2言語としての英語テスト)も成績は高得点であった。

 ところが、会話力がなかった。自分で話していて、「小学生程度の英語力ではないか」と感じた。頭の中で作文をして話しているので、どうしても会話のスピードに追いついていけない。一対一だとあまり反応が遅いので、話し相手がいらいらしてしまう。数人との会話になると、もう一言も口をはさめない。こんな状態だったから、クラスメートとの会話は苦痛であった。

 勉強すれば、選択式試験ではいい点を取ることができる。しかし、そのために得た知識と、実際に使うことは全く違うということを痛感した。理論があっても、実践(そして実戦)がなかったのである。

 TOEICやTOEFLばかりではない。日本の受験英語の勉強にも、私は不満を感じている。海外帰国子女で、英語が母国語という日本で指折りの同時通訳者の友人でさえも、「日本の受験英語の問題は難しい」と言っていた。難問を出すから、英語が難しくてつまらないものと考えてしまう日本人が多くなってしまうのではないか。これでは、英語に対するアレルギーやコンプレックスが生じてしまうのも無理はないと思ってしまう。

語学上達のためのポイントとは?

 私は高校2年生の時に、受験英語をしても英語が話せるようには絶対ならないと考えて、受験英語の勉強することはやめた。志望大学に入ることは大事だが、同時に勉強するなら将来使える英語を学ぼうと思った。それで、高校3年間分の教科書の丸暗記をして暗誦できるようにした。そうすると、自然に文章の構造を覚えることができる。必要な単語を入れ替えれば、ほとんどの表現をマスターすることができた。英語で考えられるよう、なるべく英和辞典を使わずに、英英辞典を使うことにした。

 アメリカの大学で勉強する際、単語数は少なかったが、文章を書く時、文法的な疑問を持つことは少なかった。この経験から、英語以外の語学を勉強する時にも単語だけを暗記せず、新しい単語を含めた文章全体を暗記することにした。

 杉並区立和田中学校で民間人として初めて校長になった藤原和博さんも、暗記によって英語力を上達させたという。リクルート時代、イギリスとフランスで2年間を過ごすことになって、英語を話す必要に迫られた。そこでまず自分を追い込むために、ロンドン大学ビジネススクールで日本の人事について、2時間半のプレゼンテーションを約束した。そして、1時間分のスピーチをすべて丸暗記したというのだ。終わった時は疲れきって頭も真っ白という感じであったが、それを成し遂げたことにより、自分の英語に自信をつけることができたそうだ。

 私は仕事の関係上、英語以外にも、フランス語、ポーランド語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語を勉強した。英語がある程度でも話せるようになるだけで、外国語を話す際に伴う精神的な緊張や変なコンプレックスから解き放たれる。そうすると、ほかの外国語にもとっつきやすくなる。それにやはり、ヨーロッパ言語を1つマスターすると、ほかのヨーロッパ言語の勉強は、文法や語彙や発音にある程度の類似性があり、パターンを覚えるので、第2外国語の習得は楽になると思う。日本人が英語を勉強するのと、ヨーロッパ人が勉強するのでは、上達の速度が違うのもうなずける。

 私の経験から言えば、外国語でコミュニケーションを取ることができるようになる勉強法は「短期集中で勉強し、完璧主義を捨てて積極的に話すこと」に集約できる。では、私が語学にどう取り組んできたのか、具体的にお話していきたい。

 まず、短期集中が私にとって効果的な方法だと認識したのは、フランス語を勉強した時だった。フランスのINSEAD(インシアード、シンガポールにもキャンパスを持つ国際経営大学院)に入学する前に、スイスにあるジュネーブ大学の夏期講座で1カ月ほどフランス語を勉強した。ここでは文法中心に先生が講義するという“昔ながらの授業”で、正直、フランス語は全く身につかなかった。それ以来、文法中心の勉強法に対して、アレルギーを持つようになった。

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