北海道で急増中の中国人観光客。不動産投資家としても、着実に存在感を示しつつある。リーマンショック以降停滞していたリゾート投資は、アジア資本により息を吹き返した。地元は活況に沸く一方、土地の買い占めを懸念する声も強まっている。
国際的な知名度を誇る日本有数のスキーリゾート、北海道ニセコ地区。リーマンショックによって崩壊した不動産バブルのあおりを受け、停滞が続いていた同地域のリゾート開発だが、今年に入って息を吹き返しつつある。
富豪がチャーター機で続々訪問
牽引しているのは、相次いで登場したアジア各国の資本家である。
今年5月のこと。ニセコ地区を管轄する倶知安(くっちゃん)町役場に、場違いな黒塗りのリムジンが突然、横づけされた。中から現れたのは、マレーシアの不動産開発業者。ニセコ地区のリゾート開発に興味を持ち、町長への表敬訪問が目的だった。
「役場にいきなり電話がかかってきて、町長に挨拶したいと言ってきた」。倶知安町役場・商工観光課の川東秀一課長は言う。突然の申し出に、困惑した川東課長だったが、結局、町長との面会を調整した。
面会は30分ほどで終了し、マレーシア人は足早に立ち去った。そのまま、片道3時間はかかる新千歳空港へ引き返し、待たせてあるチャーター機でロンドンへ向かったという。
後に、このマレーシア人がチャーター機を数台保有するほどの大富豪だったということを川東課長は知る。
最近のニセコ地区周辺では、こんな話は枚挙に暇がない。
今年4月、倶知安町の老舗旅館、山田温泉ホテルが中国人の富豪によって買収された。山田温泉ホテルは、倶知安町のリゾート地でも有名な施設であり、「字山田」は住所にもなっている地名である。その由緒あるホテルのオーナーが中国資本となったことは、時代を映す象徴的な出来事として話題となった。
土地が全て国有で、私的所有を制限(原則禁止)されている共産主義国中国。大陸の中国人にとって、自分の私有地が羨望の的で有る事を知らない日本人が余りにも多いと思います。先日の農業税廃止以降、小作農形態の復活してしまった中国の農業資本の動向を観ていると、近い将来、中国人地主の下で日本人が小作人をする日が来ると予感しています。そういえば、前総理は「日本列島は日本人だけの物では無い」と言っていましたが、この事でしょうか。(上海から)(2010/09/16)